湘#48 れび@湘南サポBLOG Ver.2

スポーツナビ+(ブログ)サービス終了に伴い、引っ越してきました。湘南ベルマーレを応援していきます。

【J1・1st第06節_vsG大阪(H)】 『届かぬ一歩』×0-2

FC東京戦の反省を経て、内容としては今季一番だった。三冠王者を相手にここまで自分達のスタイルを出せていることそのものが、二年前からの成長だ。それでも勝ち点に結びつかないのが、J1の厳しさなのだが。

キックオフ直後から、湘南の時間帯が長かった。湘南はワンタッチでスパスパと縦パスが入り、パスでダメならドリブルで斬り込み、ゴール前に何人も押し寄せることができていた。返す刀でカウンターを食らう場面もあったけど、それも冷静に対応できていたんだ。

右から遠藤保仁が軽くゴール前にアウトサイドでポイーと上げる。ゴール前に張っていた丹羽が先に触って落とす。湘南の選手を振りきって(★)走りこんできた米倉が強烈なシュート。GK秋元何とか防ぐが浮き球に。先に反応して(★)飛び込んだ宇佐美が頭で押し込み、ガンバ先制。

ゴール前での2つの場面(★印)で一歩先んじられたことで、先制を許してしまった。その瞬間の速さと人数のかけ方は、流石の三冠王者であり流石の宇佐美というべきか。

湘南も先制こそ許したものの、臆すること無く集中を切らさずに戦えていた。選手とポジションを入れ替え、何とか同点にという姿勢は見えたが、ゴールには結びつかず。試合終了間際に永木がPKを与えてしまい、万事休す。これも先に走られて良いボールを入れられてしまった結果。

前節足りなかった三歩から、更に二歩は踏み込めた。それでも湘南とガンバの間に、届かない一歩分の差は確実に存在した。現実として敗戦となったが、内容としては勝ち点ゼロの内容ではなかったはずだ。しかし勝つのは、決定機にきっちりゴールを決めてくるチームなんだよね…。

選手個人もチームの組織力もクラブの財政も、一足飛びにホイホイと強化なんてできない。湘南がレベルアップに費やしたのと同じ時間を使って、他のチームだって強くなっていくんだから。

湘南には武藤はいない。宇佐美もパトリックもいない。『湘南スタイル』はJ1に斬り込む武器として磨き上げてきたものだけど、どんな相手にも勝てるようになる魔法じゃない。出来ることは武器を研ぎ続けることだけなんだ。突き詰めていく努力をしていくしか、ないんだ。

試合終了後、メインスタンドに湘南の選手達が挨拶に来た時。ほぼ皆がまぁしゃーない次頑張ろうの拍手だったのに、一人だけ「点取らなきゃ勝てねぇんだよ!」と選手にガチギレしてる叔父様がいた。連れていた恐らく本人のお子様が、怒りに当てられて泣きそうになっていた。

ヤジもブーイングも「チーム愛」から発生するものなら許容することにしてるんだけど、これはもう完全にアウト。ホームで勝てない、得点できない苛立ちをぶつけてるだけ。ツイッター上でも、ちょいちょい悲観論が目につくようになってきた。ちょっと結果が出ないとすぐコレだ。

ウェリや武富帰って来いとか、届かない未来を嘆くのも今の所属選手に失礼な話でさ。それなら今の選手のベストのチョイスとポジションを妄想するほうがよっぽど健全だよ。

輝ける2014年を体験したというだけで、もう忘れちゃってる人も多いのかな。二年前はホントに手も足も出なかった試合もあったのに、今年は今のところ三冠王者相手でさえ最初から最後まで足掻けているじゃないか。これがチームとしての成長でなくて何だというのかって話でさ。

今回届かなかった一歩を、湘南スタイルのロマンチシズムで詰めていくことに、今年の挑戦の意味がある。顔を上げて、前だけを向いて進もう。進めると信じて、背中を支えていくよ。