…えー。ホーム開催の勝ち試合だというのに、私この試合を観戦できていません。よりによって今季ここまでのベストゲームを。こちらのイベントを優先したことに後悔は無いけれど…素直に悔しい。ゴール裏で歓喜を分かち合えなかったことが悔しい。それほどに素晴らしい試合だった。
キックオフから前への意識を先制点を取ってリードしたまま後半へ。逆転されても足を止めることなく走り続けての再逆転劇。湘南スタイルを貫いての勝利ということもあるけれど、試合展開としてもシビれるもの。
思い切り良く決めた先制ゴール。芸術点満点のループの同点ゴール。キャプテン自らチームの姿勢さながらに走り勝った決勝点。82分のその決勝点を生んだのは、ボランチに下村を入れて永木を最前線に上げた、72分の攻撃的な交代の采配。
二点目と決勝ゴールは、相手のミスを逃さずにボールをかっさらっての得点だったけど、それをもってラッキーな勝利だったとは思わない。前から追い回すのはいつものスタイルだし、キックオフからのプレッシャーの蓄積が生んだミスなのだから。
チームの全てのベクトルが、今季初めて合致して、推進力を発揮した。走り負けず、打たれ負けず、強さを全面に押し出して、勝ち切れた。この勝利は、大分戦以上にチームに自信をもたらしてくれたはずだ。再び掴んだ上昇のきっかけを、今度こそ逃してはいけない。
試合後、ホームでの勝利のお約束の「勝利のダンス」を味わって。グラウンドを一周して雨の中応援してくれたお客さんに挨拶をして。一度引っ込んだ選手達が、ベンチ入り外の選手も含めて全員で再度ゴル裏に出てきてくれたんだそうな。
そこで、こんなやりとりがあった。
ここ数試合不甲斐ない試合が続いたけれど、サポーターのみんながブーイング『してくれた』おかげで「やらなくちゃいけない」と気づけた。ありがとうございました。…と、サポーターに監督自ら頭を下げたのですよ。
愛のブーイングが選手達の心に響いて、その結果としてチームがスタイルを取り戻して勝ち、その姿にサポーターが奮い立つ。こんな一体感のある、互いに響きあう関係…なんという不思議なチームだろうか。
愛すべき俺らの湘南。今回の姿勢を忘れなければ、二度とブーイングなんて起こるまいよ。ここから先はノンストップで走りきってくれ!