湘#48 れび@湘南サポBLOG Ver.2

スポーツナビ+(ブログ)サービス終了に伴い、引っ越してきました。湘南ベルマーレを応援していきます。

【天皇杯・4回戦_vs柏】『青空になる』○3-1

2週連続で、静まり返るスタジアムに湘南サポーターの歓喜の歌が響いた。リーグ戦2引き分けだった柏との決着戦に、2016年ベストゲームを更新する素晴らしい内容での勝利。クラブ5年ぶりの天皇杯ベスト8進出となった。個人的にはサポーターになってから初だ。

この日は早朝から良い天気で、待機列作成開始時間には既に多くの湘南サポが詰めかけていた。スタジアム開場後にはすぐゴル裏はいっぱいになってしまったが、柏側のゴル裏は「ACLに向けての通過点でしかない」という意識の現れか、なかなか人が増えていかなった。

『柏から世界へ』というお題目は、一つのハードルを越えた誇りと共にあるものだから否定する気もないのだけどね。試合開始には柏ゴル裏もしっかり埋まったけれど、湘南にとっては大一番の試合を軽んじられた気がして、湘南サポとしては気合が増したよね。

湘南のスタメンは俊輝をDFに下げての4バック、ダブルキクチが中盤を固め、右に星矢で左に高山、前線はジネイやーまん…で始まったらしいが流動的にぐるぐる入れ替わっていたようだ。3試合ぶりに登録された大槻が、終盤の立役者になることに。

序盤にクロスバーに救われる場面を作られるなど押し込まれたが、そこを踏ん張ってからは一進一退に持ち込めた。前線からのホーミングプレスが自由度を奪い、球際での激しい攻防に引きずり込む。混戦はこちらのペースと言っても良かったが、先制点は柏に奪われた。

サイドチェンジで輪湖にボールが渡ると、奈良輪が対応。正面からマークにつくが、フェイントで剥がされて、シュートコースと狙い撃つわずかな時間を作られちゃった。久々に個で上回られての失点、ここでガクッとなるとリーグ戦の二の舞なのだが、開き直った湘南は崩れなかった。

前半を鍔迫り合いのまま終えると、後半開始直後に左サイドの突破を試みた高山が倒されてのフリーキック。三竿からの美しい放物線をバイーアさんが身体で折り返すと、ジネイが押し込んで同点。時間にしてまだ後半7分、反撃の体勢は整った。

攻撃のギアを更に上げる湘南に対し、後半10分で運動量がガクッと落ちて(武富:談)対応が後手に回り始める柏。そして、芸術的な逆転ゴールは後半23分に生まれた。

柏のロングボールを最終ラインで収める俊輝。

キクシュンとのワンツーからドリブル、やーまんとのワンツーからPA付近のジネイへパス。

ジネイ、俊輝とパス交換しつつDFを引きつけて、高山にボールを預けてゴール前へ走る。

高山がボールをやーまんに戻すと、DFを誘っておいて右に開いていた星矢にパス。

倒れ込みながら星矢が折り返すと、ジネイやーまん星矢にDFが釣られていて高山ドフリー。

ジネイについていたDFが慌てて飛び出すも、高山が右足一閃!!

最終ラインから、こんだけの選手を経由して、その間に柏の選手にボールを一切触らせずに中央を完璧に崩してゴールに結びつけるなんて、そんなこと出来たのか!(失礼) あまり記憶にないほどの華麗なパスワークからの逆転弾で、ゴール裏のテンションは最高潮に。

逆転した直後に、星矢→大槻、ダイスケ→アーリアと立て続けに動く。運動量の落ちた柏には、大槻とアーリアの機動力は脅威だったろう。ましてや逆転しなければいけないのだから。湘南は攻撃を水際で食い止めながら、カウンターの牙を研いでいた。そして、後半38分。

柏が湘南ゴール前に人数をかけて攻め込むところを、こぼれ球を拾うジネイ。

ジネイが柏の選手を引きつけて右に流れ、空いた中央を駆け上がる、アーリア大槻三竿。

ジネイがアーリアにヒールでボールを渡せば、3対2のできあがり。

中央にアーリア、右に大槻、左に三竿。どっちからでも行けたが、アーリアは大槻を選択。

大槻は落ち着いてGKの足元を通して、ダメ押しのゴール!!

よく見るとアーリア、大槻にハンドサインで「少し緩めろ」ってサイン出してるのよね。自分も全力で走ってきてから、一度緩めてからでも大槻が追いつけ、かつディフェンスに届かないところに絶妙なパスを出せるアーリアのパス精度ですよ。流石ですな。

そのラストパスを、しっかり決めきった大槻も素晴らしかったね。その前のキーパー正面になったミドルの時点で「今日の大槻はひと味違うぞ!?」と思わせてくれていたけれど、あの場面でシュートが宇宙開発にならないように祈ったのは否定しないw。ありがとうな!(掌返し)

GK梶川も良かった。無難に任務を遂行しつつ、スーパーセーブも何度か見せてくれた。急に起用され始めたのは謎だけど、これまでしっかり準備してきた事を活躍が証明してるね。そしてこの日も、やーまんと俊輝が攻守に輝いていた。この二人の献身が、チームの底を支えている。

【161112_vs柏】アディショナルタイム~試合終了後【湘南ゴル裏】 (8:59) https://t.co/x6jHsABTrZ #sm30039391 #bellmare— レヴィ (@revys48) 2016年11月13日

選手それぞれが、それぞれの湘南スタイルを体現しての、大逆転勝利。タオマフを掲げて高らかに『ベルマーレビッグウェーブ』を歌いながら、2016年シーズンの苦闘が青空に溶けていくような気がした。同時に、それでも降格しなければならない現実が、胸を締め付ける。

2015年に勝るとも劣らないレベルで、魅力的かつJ1の壁を突き崩す『湘南”ストロング”スタイル』を体現できるようになったのが全てが決まってしまった後だなんて、なんという皮肉だろうか。頭では理解できていても、来年J2という現実が受け入れがたい。

曺貴裁監督が来季もベルマーレの指揮を執ることが決定しました!夢と勇気と希望の感動空間を皆様と共有できるよう、再び戦ってまいります。https://t.co/VTtusdYhsW #bellmare pic.twitter.com/VUTN2vl8aK— 湘南ベルマーレ (@bellmare_staff) 2016年11月21日

それでも、クラブはもう前を見据えている。U-18監督への打診が報じられてから、正直諦めていた監督の続投が正式決定。選手達の去就については何も伝わってきてはいないが、真っ先に監督が心を決めたという事実は、選手達の契約への影響も大きいはずだ。

ま、その前に。まだ今年のサッカーは終わっていない。正直年末まで公式戦が残っているのが初めてで困惑しているが、次の試合はクリスマスイブだ。場所と相手は、ちょお鬼門の大宮。そうだ、降格決定試合の相手であり、サポになってから勝った試合を見たことがない相手なのだ。

選手達よ、試合間隔は空いてしまうけど、もう自分達のやるべき事を忘れはしないよな。不甲斐ない試合を重ねて降格していく自分達がしなければならない事は、ただひとつ。最後にようやくたどり着いた『2016年版湘南スタイル』の完成形を、日本中に見せつけることだ。

鬼門大宮を突破できたら、元日の大阪決戦への道筋がハッキリと見えてくる。まずは大宮、そして横浜へ。今のチーム状況を一ヶ月後まで維持できたら、可能性は大いにあるはずだ。

ただ今日のところは、キジェさん続投に、感謝とエールを送りまくっていてもいいだろう。

チョウ・キジェ、湘南!/\チョウ・キジェ、湘南!/\チョウ・キジェ、湘南!/

チョウ・キジェ、湘南!/\チョウ・キジェ、湘南!/\チョウ・キジェ、湘南!/ #bellmare pic.twitter.com/RSgJMrs6aj— レヴィ (@revys48) 2016年11月21日