湘#48 れび@湘南サポBLOG Ver.2

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【J1・2nd第08節_vs広島(H)】 『言葉に出来ない』×1-2

サッカーの神様(notキングベルじいちゃん)は意地悪だ。勝利の女神様は気まぐれで、そして残酷だ。どんなにスタジアムが盛り上がろうが、今期一番の良い試合をしようがそんなことはお構いなしに、決めるべきシュートを決めておかないと最後に微笑んではくれない。

キックオフから1分半。裏に抜けだしたダイスケに北斗がパスを通して、GKと1対1。少々高くなった北斗からのパスも胸でうまくトラップして、まずまずのところに落とした。DFもまだ遠い。そんな状況で宇宙開発しちゃったら、そりゃ女神もそっぽ向くわな。

DFが寄せてきて焦りもあっただろうけど、あそこでボール抑えて叩きつけられないのでは話にならない。その直後の高山のニアの合わせは少々無理があったかもしれないが、どっちかでもGK正面であっても枠内に飛ばせていれば、更に攻勢に出られた展開もあっただろう。

そう、この日の湘南は、浦和戦の悔恨を全てぶつけるように、そしてホームで必ず連敗を止めるんだという意気込みを表すように、良い形で攻撃できていたんだ。ジネイが入ったことでウェリがいた頃のスタイルと今年培ってきたスタイルが融合して、選択肢の幅が増えた。

先制点は20分、そのジネイがGK村山からのロングキックを競り勝ってフリックしたボールが起点となった。仁が身体を入れて相手DFに触らせないポジションを確保して、左足一閃。抑えの効いたボレーシュートを豪快に叩きこんだ。

それまで良い攻撃をしながらもゴールに届かずヤキモキしていたスタジアムが、一気に沸き上がる。これまで湘南はともかく広島までもが、先制を許した試合を逆転したことがなかった。そういう意味でも、この先制点の持つ意味は大きかった…この時点では。

この日の広島は、これまでのような圧力感は無く、正直全く怖くはなかった。崩されるような展開もなく、ウタカらを狙う裏へのボールにだけ注意していれば…と思っていたのが甘かった。

前半終了間際、ウタカにボールが収まる。バイーアさんがピッタリついたが、瞬間のターン一発で裏を取られてしまってバイーアさんは転倒、GK村山とタイマン。慌てて石川が後ろから追いかけるも後の祭り、追いつく前にゴールを許してしまった。

マークについた相手に、ああも綺麗に避けられるバイーアさんは初めて見た気がする。タイマンで無類の強さを発揮していた守備の要がしてやられたのだ。これは相手を誉めるしかない。

リードしたまま前半を終えたかったところでの同点弾。後半ロスタイムに追いつかれたアウェイ戦を思い出さずにはいられなかったが、手応えは今回の方が段違いにあった。難敵広島を倒して残留の足掛かりにする事は十分可能だと思っていたし、きっと選手もそうだったろう。

後半が始まってからも五分以上に渡り合えていたが、守備に若干の隙を見せたのは湘南だった。後半15分、左サイドから中央へのバックパス。そこに走りこんできた広島MF丸谷に、ゴール左隅に右足のアウトサイドというテクニカルなミドルシュートを決められてしまう。

最近はこんなゴールばかり決められてる気がするというのもあるが、ノミネートゴールに選出された仁のゴールよりも、この2失点目の方がはるかに衝撃的だった。

人がいなかったわけじゃないのに、ほんの僅かな隙間を狙って的確にシュートを決めてくるんだからなぁ…正直なところ羨ましくて仕方ない。湘南も最近は北斗や神谷らが果敢にミドルを狙って良いシュートを打ってはいるが、もっともっと精度を上げていって欲しいところだ。

勝ち越されてからも湘南は攻めに攻めた。ポストとバーに嫌われた展開もあったり、神谷が怒涛の4人抜きを見せたり、大いに広島を苦しめた…はずだ。引いてきた広島守備陣の間に楔を打ち込み続けたが、最後まで同点ゴールは生まれずに広島に逃げ切られた。

これで3年ぶりの6連敗。こんなにも自分達のやりたいサッカーを体現できたというのに、それを勝ち点に還元できなかったのは、痛恨などという単語では表しきれない。言葉に出来ないほどにもどかしいし、納得いかない。理不尽だ。

試合後の監督会見では、ついに監督が『残留』の言葉を口にした。『奇跡の』という単語をつけてまで。その意味合いはコメントを読んでいただくとして、今が一番厳しい相手達との連戦なのだとしても、状況としてはレッドゾーンに突入したということだ。

『真夏の夜の悪夢の五番勝負』第四戦は、アウェイ鹿島戦。光明は確かに見えている。あとは広島戦の内容を鹿島に持ち越し、今度こそ勝ち点に還元して平塚に帰ってくることだけだ。これはインポッシブルなミッションではない。ミッション成功の先に、明るい未来は必ず待っている。