ミスが許されないポジションというものは存在する。サッカーにミスはつきものなのだが、ゴールキーパーには常に１００点に近いプレーが求められる。当然ながらミスが失点に直結するからであり、基本的に得点の動きが少ないサッカーでは命取りになりかねないからだ。
どこかで見たような…。前期５節の神戸戦の書き出しと全く一緒。前半８分いう時間帯。この日もＧＫ村山の一つのプレーで、浦和にあまりにも簡単に流れを渡してしまった。
相手ＧＫがロングキック。ボールは湘南の３バックの裏へ弧を描く。力任せに蹴ったわけではなく、ＤＦ裏に走りこむＭＦ関根が呼び込んだものだった。タイミングを逸して村山は飛び出せない。ワンバウンドしたところで競り合うも、先に触られてゴールを許してしまう。
村山も試合後のコメントで猛省していたが、これはもう相手が上手かった。落とし所が絶妙すぎたし、スカパー実況によれば、こんなレアケースを練習していたそうじゃないか。
ハイラインの３バックの裏は、ＧＫがフォローするのが鉄則。とはいえ、今回の失点の責任を全て村山に押し付けるのは酷だ。スルスルとＤＦ裏に抜け出す相手に反応が遅れ、村山とタイマンにさせてしまった三竿にだって責任はある。バイーアさんも気づいていない様子だったし。
もっとも、ペナ内で腕も使えるＧＫが競り負けてちゃイカンのは間違いないんだけどね…。エルゴラの採点で３とかつけられてるの、滅多に無いよ。どうにかできるタイミングはあったはずだし、この序盤の失点の重さを思えば、どうにかしてほしかった。
前半終了間際に、ゴールラインに逃れようとして相手へのパスになってしまって２失点目を献上してしまっても、ダイスケと大槻らしい泥臭いプレーとゴールで何とか１点を返せた。
意地は見せているものの、どうにも劣勢。後半、修正してギヤを上げて瞬間的にでも上回っていかないとヤバいぞ…と思っていた。そしたら、逆に浦和の方からギヤを入れ替えてきた。というか、アクセルを踏むと戻すとの緩急をつけてきたように見えた。
どこまでペースを落としても大丈夫かを推し量るかのように、ハーフアクセルで力を温存しておいて、勝負どころでは暴風のようにアクセル全開で圧倒された。こちらもチャンスが皆無だったわけではないけれど、相手に追加点とダメ押しを許してしまった。
あの先制点が無くても劣勢だったのは間違いないが、いきなりの失点でプランが崩れたのも確かだろう。自分達の時間帯もなかなか作れず、スタッツ的にも内容的にも、完敗だった。
本日の馬入。サポーターの方々が掲げてくださった横断幕。ピッチもスタンドも、想いはひとつ。13日の広島戦も共に。 #bellmare pic.twitter.com/WMtCaAl667— 湘南ベルマーレ (@bellmare_staff) 2016年8月11日
『真夏の夜の悪夢の五番勝負』第三戦は、ホームに戻って広島戦。ここでアウェイの連戦でないことは感謝しなければ。川崎戦で着いた火の勢いは浦和で随分小さくなってしまったが、まだ完全に消えちゃいない…はずだ。このまま真夏を連敗し続けていくわけにはいかない。
残り１０戦。残留争いは、ここにきて新潟／甲府／名古屋／湘南／福岡に絞られてきた。同じように凹んでいるから、差はそれほどついてない。ここからは勝ち点１の重みがとんでもないレベルに跳ね上がる。もう一度、平塚の追い風で火の勢いを増していかなければ！
