正直なところ、好意的に書くことがあまり無い。リーグ戦のアウェイから、それほど内容的に進歩が感じられなかったからだ。流れの中からの相手の攻撃が全く怖くなかった中で、注意すべきセットプレーからの一発で沈められたのは、言い表せられないほどの痛恨だ。
というか、こちらのシュートが６本なのに相手のゴールキック１７本って、比率がおかしすぎるでしょう。神谷＆ミッキーの１０代ボランチコンビはフルタイムで躍動したし、良い攻撃も何度かあったけれど、結局のところシュートまで行けていない、崩し切れていないって事だ。
攻撃の狙いは見て取れた。低く狭く人数をかけた守備の相手に、縦に横にとボールを動かして、何とかして隙を作ろうとしていた。ドリブル特攻しても、ＤＦラインの裏に蹴りこんでも、そこでボールがおさまらない。だから、ボールは動いても甲府の選手を「釣れて」ない。
怖いと思われてないから、ボールを入れられても対応できると思われてるから、そしてその通りになっちゃってるから、こちらの頑張りが相手を慌てさせられないんだよね。ボールがうまいところに入っても、トラップミスでロストしたりするから、相手の喉笛に攻撃が届かない。
何度か書いてる気がするけど、『究極の攻撃サッカー』を目指すにしては攻撃が形にならなさすぎる。縦パスを相手のブロック内で受けることだけに固執しすぎているように感じる。
大事なのはその先。そこで前を向いて、ディフェンスを引き付けて陣形を乱した上で、空いたスペースで勝負することなんじゃないのかな。縦パスを入れただけで、ダイレクトにはたくことすらせずにバックパスでボールを戻すことに、何の意味があるのだろう。
試合後の監督コメントでは、リーグ戦よりも手応えを感じたらしい。ただ少なくとも攻撃に関しては、ゴールを予感させるような展開があまりにも少なすぎた。相手を脅かしたという意味ではリーグ戦には遠く及ばなかった。もちろん互いにメンバーを落としているのだけれども。
チームの底上げという意味では丸っきり成果が無かったわけではないが、それが勝利というだけでなくシュート本数にすらつながっていないのでは、手応えと言われても何も響かない。それが甲府という引きこもりカウンターの権化が、更に守備重視を掲げた試合であったとしても。
これにて菓子杯突破の道も断たれた。せっかくの福島開催の試合が消化試合になってしまったのは、あらゆる意味で哀しいことだ。どうせなら突破のかかったヒリヒリするほどの緊張感のＪ１の試合をお届けしたかったし、それを観に行きたかった。
次節は再びリーグ戦、ホームで名古屋戦。もはや良い流れも何も無い。今できる事の全てを束ねて、ホーム初勝利を勝ち取る。幸いにも菓子杯で勝っている相手、良いイメージはあるだろう。
「Ｊ１リーグ１ｓｔステージの順位をシミュレーションした結果」をアップしました！FootballLABの予測シミュレーションを用いて、Ｊ１リーグ１ｓｔステージの予測順位分布をまとめています。https://t.co/o7KaKqs2fU #footballlab— Football LAB (@football_lab) 2016年5月27日
上記ツイートのシミュレーションによれば、湘南が１ｓｔステージを降格圏を脱出して終えられる可能性は１割らしい。…１割しかないのか、１割もあるのか。予測をひっくり返すだけのパワーが今の湘南にあるのかどうか。まずは名古屋相手に意地を見せて欲しい。
