湘#48 れび@湘南サポBLOG Ver.2

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【J1・1st第01節_vs新潟(H)】 『大鍋カレー』×1-2

「今日のサッカーを観てもらえれば、一目瞭然で『今年の湘南はこうなったか!』と思ってもらえるはずです。」と曺監督は試合前に語ったそうである。先制点をあっさりと失うまで27分までは、確かに今年目指す『究極のアタッキングサッカー』の片鱗が垣間見えるものだった。

コンパクトなブロックでボールを奪い、縦への意識は更に高く、テンポよくゴールに迫る。選手同士の間隔が狭く、小気味良くパスも回せていた。一方で簡単にゴール前に上げれば、藤田祥がポスト役として存在感を見せる。守備から攻撃へのシームレスな連動も見れた。

先制点を許すまで、試合のペースを握っていたのは間違いなく湘南だった。カウンターから一気にゴールに迫られることなく勢いを止めて、人数も揃ってこれなら対応できると安心したら、後ろから追い抜いた選手にマークにつききれず、鋭くゴール前に入れられて失点。

押せ押せの時間帯に先制できていたら、流れに乗ったまま押しきれていたかもしれない。17分にはGKが弾ききれずにポストに当ってノーゴールなんて場面もあった。ジャストミートできていればーなんて場面も。能力が一気に花開くなんて奇跡もなく、決定力不足は例年通り。

それもそのはず、この日のスタメンは根こそぎ消えたGK以外は、去年まで在籍した選手だけで構成されていた。曺監督のコラムによれば、『自分たちの現状のスタイルを、100%ではないにしても、最大限に発揮できる11人プラス7人』ということらしいけれど。

新戦力との融合で新しい武器が生まれるに至るには、結局時間が足りなかったということなのだろう。開幕前の選手や監督の言葉からは今年のチームの仕上がりの早さに自信を見せていたけれど、「もう食べられる」と「味が染みて美味しくなる」のでは全く違うのだ。

明治安田生命J1リーグ1stステージ第1節、アルビレックス新潟戦スターティングメンバー! pic.twitter.com/9Na7PlJkkd— 湘南ベルマーレ (@bellmare_staff) 2016年2月27日

先制を許してからは一進一退で推移。後半開始から新加入の下田北斗を投入、攻撃の立て直しを計る湘南。縦に抜けだして大介がPAサイドで倒されて、絶好の位置からのFK、更にコーナーと立て続けのチャンス。同点の機運は次第に高まっていく。

縦に攻撃が早くなったのは見ていて楽しいんだけど、代わりに選手の押し上げが足らなくなっているように感じる。ボールを奪って逆襲って時に、去年だったら勝負所で過半数で雪崩れ込むくらいだったのに、3~4人だけ攻め上がって残りが後ろで歩いてたりする場面もあったり。

そしてダメ押しの2失点目も、やはりカウンター。攻勢からコーナーを獲得。クリアボールを拾い損ねたところから一気にもっていかれた。人数かけて攻め上がると、カウンターで中盤が置き去りにされて数的不利になり、ますます攻め上がれなくなるという悪循環。

失点してから期待のパウリーニョキリノを順次投入していったけれど、後半ロスタイムに幸運なPKで1点返すのが精一杯。二年連続で、開幕戦黒星スタートとなってしまった。

二度目になるが、曺監督は「今日のサッカーを観てもらえれば、一目瞭然で『今年の湘南はこうなったか!』と思ってもらえるはずです。」と試合前に語ったそうである。確かに伝わった。そこに光明は確かに見えた。試合自体も、そこまで下を向く内容ではなかった。

言うなれば、大鍋で煮込まれる美味しそうなカレーだ。あとは新たな具材にしっかりと味をしみこませるだけ。去年までのチームは、メインシェフが曺監督に替わる前から同じ鍋で同じ味で煮込まれ続けた味なのだ。そりゃ美味しくいただけましたともさ。

曺監督がトップチームで作る、初めて出汁から作るカレー。純粋なるキジェイズムで作り上げられる味は、万人を魅了するものになる可能性を十分に秘めている。去年までの味を反芻しつつ、今年のカレーがどこまで美味しくなるのかを見守りたい。

次節はアウェイ川崎戦。何かと相性は悪くない相手だが、開幕戦ではアウェイで広島にウノゼロで競り勝ってきている。どんな試合でも負けられないが、SKYシリーズ初戦で難敵を倒して勢いをつけたい。願わくば、去年のアウェイ鹿島戦の再現といきたいところだ。

なお、最後の画像は、今年のフードパークに新規出店したステーキ丼屋さん『どんなもん』さんのガーリックステーキ丼。味はもちろん申し分なく、流れ作業とはいえ注文から提供まで1分半という早さが素晴らしい。その回転の早さで今年の台風の目になりそう。注目ですぞ。