ゴール前の守りが固く、セカンドボールを拾われて、ロングボールで押し込まれる。攻撃の形をなかなか作れずにいたが、後半開始直後に一段ギヤを上げて攻勢に出られたことが、虎の子の１点を呼び込んだ。
キックオフからなかなか流れが掴めない。自軍のコーナーあたりまで持ち込まれ、選手に当てられて簡単にＣＫを奪われる。前半だけで甲府のＣＫ／ＦＫが６本／１３本。この一戦を何とか反抗のきっかけにしたい強い意志を感じた。
どこか一つ対応を間違えたら…という場面もあったが、守備の集中は切らさなかった。これほど押し込まれながらも前半を耐えきったことで、甲府に少々焦りも出てきたかもしれない。
けして攻撃が全て抑えこまれていたわけではないんだけど、なかなか咬み合わないでいた。ロングボールを警戒してか、ワタルと三竿はなかなか前に出られなかった。だけど、これによって結果的に前半で体力を温存できたことも、後半開始直後から攻勢の布石になった。
後半風上に立った湘南は、攻撃に輝きが増していく。ダイスケがドリブルで切り崩しにかかり、三竿もワタルも積極的にボールに絡みに行く。アリソンは変わらず前から体を張り、岡田は虎視眈々と裏を狙って走る。そして後半５分に最初で最後のゴールが生まれた。
中央で相手のミスでルーズになったボールを石川が奪って、右サイドに流れる。
右サイドの星矢に渡すと、入れ替わるように中央に斬り込んでいき、後方の永木に落とす。
間髪入れずに永木が左サイドにはたくと、ディフェンスラインから三竿が上がってきている。
フリーにさせじと甲府守備陣から一人マークにつこうと上がってきたスペースに、縦パス一閃。
ペナルティエリア手前でパスを収めた大槻の左足が火を吹き、ゴール左隅に豪快ゴール。
選手が動いて相手ディフェンスを釣り出して、パスコースとスペースを作り出してのゴール。前節神戸戦で目の前で何度も見せられていた、鋭く力強い縦パスを通せたのが効いた。この意識は大事にしていきたいところ。良い形でパスを受けられれば、こういうゴールにつながるんだ。
そして何といっても大槻のスーパーミドル。久々にベストゴールにノミネートされる、素晴らしいシュートだった。去年の負傷での戦線離脱前、大分戦で見せてくれた豪快ゴールを思い出させてくれた。これで一つ吹っ切れて、思い切りの良いシュートを連発してもらいたいところだ。
後半開始早々に得点してからもしばらく湘南の時間帯が続いたが追加点を奪うことはできず、そこから先はヒヤヒヤしっぱなし。暑さと疲労からか集中を欠いたプレーも散見したが、何とか逃げ切って４勝目。ＧＷ連戦の最後に、残留争いの相手からの直接の勝利の勝ちは大きい。
ＧＷの連戦は終わったけれど、次節は対戦相手の柏レイソルのＡＣＬ本選日程に対応するために木曜日に開催となる。日立台は好きなスタジアムの一つなので有給取ってでも…と思っていたんだけど、いろいろあって参戦は断念。是非とも見届けたかったが残念だ。
互いに勝てばリーグ戦の勝率を五割に戻せる負けられない戦い。柏帰還で調子上向きの武富／湘南でも運動量でチームを牽引する高山(しかも一人だけ休養十分)の古巣対決は楽しみ。
しかし、湘南は怒涛の８連戦の最後で疲労はピーク。ＡＣＬ本選を控えた柏は、休養十分のサブメンバー主体かもしれない。キーマンはやはり武富／高山か。あとは復活の機運高まる岡田の意地に期待したいところ。大槻のゴールを間近に観て感じるものはあったはず。後に続け！！
