鹿島戦の流れを断ち切るような酷い流れの前半。このままスコアレスで終了かという状況を救ったのは、湘南の”魂”を色濃く宿す二人と、経験を積み重ねてなお更に研鑽に務める３５歳の大ベテランだった。
曺監督はターンオーバー否定論者である。今回も疲れ云々ではなく、単純に出場機会のためだけのようだ。実に７人が今季初出場。移籍組と故障明けの選手が揃ったイレブンがどんな試合を見せてくれるのかと思ったら…いやもう、前半はどうにもならなかった。
パスの出どころが無くて、横や後ろへの「逃げ」のパスばかり、しかもそれすらもミスって攻撃がリンクしない。甲府も選手を半分ほど入れ替えてきたので、押し込まれても失点こそ防げていた。しかしこちらからは前にも出られず、攻撃は全く形にならなかった。
あまりに「無様な」プレーに、ブーイングこそ飛ばなかったが平日夜にスタジアムに詰めかけたサポも呆れ気味。そらそうよ、とんでもなくツマンなかったもん。
流石に曺監督もハーフタイムに激怒したらしいけど、後半もそれほど改善はされず。我慢の限界に達したか、５８分に永木、６８分に高山が投入される。せっかく休ませていた二人を出してしまい是が非でも結果が求められることになったが、これが効果てきめんだった。
永木が入ると攻撃にリズムが生まれてきて、更に高山が入ることで前線が活性化した。試合の流れを一変させるまではいかないけれど、湘南の”魂”を色濃く宿す二人が立て続けに投入されることで内容は劇的に改善された。これほどまでに変わるものかと感心するほどに。
そして直後の７１分。久しぶりの良い展開からのコーナーキックを、ニアに走りこんで頭で合わせたのは、浦和からやってきた坪井だった。実に４３２３日、１２年ぶりのゴール。そして試合後には、浦和では一度も無かったというヒーローインタビューまで付いてくるオマケつき。
移籍組が軒並み驚く湘南のスーパーハードな練習にも対応し、この日の間延びした展開でも一人気を吐いていたツボさん。試合後のインタビューでは良い笑顔で応えていた。
今のＤＦラインはワタル／バイア／三竿でほぼ固定になってしまうだろうし、オプションでも今のところの優先順位はジョンピルの方が上かもしれない。もちろんこれから順列を塗り替えてくれても全く問題無いのでｗ、ツボさん（と島村！）にはまだまだ頑張ってもらわないとね。
最後に、ゲームキャプテンだったツボさんも含めて、この日スタメンだった選手達。永木と高山を出さざるを得なくなったことに関しては、猛省してもらわなきゃね。二人が入ってきてからの展開を、自分達でやらなきゃいけなかった。試合中に修正していかなければいけなかった。
今季のミッションには、チーム全体の底上げが不可欠。精進せよ！
