『クラウドファンディングパートナースペシャルデー』でもあったこの日。申し込めた皆様と共に、試合前にピッチに選手を送り出し、練習を見学した。勝利していたらエアグータッチで選手を迎えることにもなっていたが、残念ながらソレは叶わず。
試合後に再びピッチレベルで集合写真を撮ることになっていたのだが、一度スタジアムの外で集合なので、参加を迷っていたのよね。湘南卒業生が多い京都、試合後に彼らが挨拶に来た時にそれを見逃す可能性があったから。
勝利の場合はエアグータッチから直接移動して撮影だったが、段取り待ちなのかスタジアム内に入るのが遅れて、ソレを見逃した。結構ガッカリはしたが、参加しない選択をしなかったのは自分、結果は受け入れるしかない。
集合写真も撮り終わり、芝には入れないものの記念撮影などご自由にどうぞタイム。ふと見渡せば、スタンドにまだ多くの観客が残っている。…そうか、まだメインイベントが終わっていないのかと悟る。"彼"は選手と同時ではなかったらしい。
その時まで退出させられませんようにと祈りながらいろいろ撮影していたら、その時は来た。"彼"は少々固い表情で歩を進め、ほんの数メートル離れた俺のほぼド正面で立ち止まり、メインスタンドに深々と頭を下げたのだ。
呆然と立ち尽くす俺に目もくれず(当たり前だw)、またわずかに歩を進め、バックスタンドへ、ゴール裏へ、それぞれに深々と頭を下げて。それでもやはり少々固い表情のままで"彼"が戻ってくる。どうする、何ができる??
気がつけば深々と頭を下げていた。"彼"がスタンドに向かってそうしたように。これはケジメであり、本当なら満員のスタジアムで万雷の拍手の中で行われるハズだった『卒業式』なのだ。この時だけは(※)「ありがとう」を胸に、"彼"の背を見送った。
【※】ロンドさんの対戦相手チーム紹介の時は、元湘南組に対しては何もしなかった。反発心もあったが、まだどう振る舞うべきかを決められず、ある意味保留していた…んだと思う。
試合前
先週の寒さが冗談だったように、一気に春めいた陽気になった平塚。さすがに桜満開には時期が早いが、思い出したかのように花開く木々が喜んでいるかのよう。
そしてやはり浦和戦が冗談だったかのようにw、平塚のスタグルがやっぱり美味い。デカい柔らかい煮豚!辛いタレ!メシ!(ドーン!) デカくて甘いサツマイモ!ハニーチーズ!(ドーン!)「こういうんでいいだよ」のかたまり!!(゚∀゚)サイコー
スタメン
明治安田生命J1リーグ第4節
— 湘南ベルマーレ (@bellmare_staff) 2022年3月12日
🆚 #京都サンガFC ⏰15:00KO
スタメン発表🔥
GK #谷晃生
DF #山本脩斗 #大岩一貴 #大野和成
MF #岡本拓也 #永木亮太 #米本拓司 #田中聡 #石原広教
FW #ウェリントン #町野修斗 pic.twitter.com/6vvwb31OKo
ついにウェリと永木がリーグ戦のスタメンに。CBはベテラントリオが陣取り、米本永木田中で中盤を固め、今日の左ワイドには広教。最前線でウェリとタッグを組むのは町野。ツインタワーに収めて攻め上がってという基本に立ち返るか。
サブのFPは、おスギ/舘/バラちゃん/池田/瀬川/大橋。CBセンターの控え…は全員ピッチにおるな、ならいいかw。その他の控えのバランスは悪くないセレクト。タリクやーまんが新コロ陽性者なのかねぇ…いないわけないもんねぇ…。
そして、わかっちゃいたけど監督も含めて湘南の歴史に刻まれた名前が6人も対戦相手にいるのは不思議な感覚。ソリさん山雅の時にも異母兄弟感はあったけど、選手はそうでもなかったもんな。さらに濃い、魂を分けた半身みたいな感すらある。
試合
ここまでの反省点を活かして前半から積極的に、前からハメ倒していく湘南。セカンドボールもあっという間に回収して、切り替え早く攻め上がる。時折攻め込まれるものの単発で潰せていた。こういうエネルギッシュな前半をずっと見たかった。
とはいえ、京都のシュートをゼロ封したくらいには前半は圧倒できていたのに、湘南のシュート本数自体は5本止まりだったらしい。コーナー5本というのもかなり多めなのに、何とももったいない話だ。
『大事なのは後半立上り』なんてハーフタイムで訓示したにもかかわらず、47分目のファーストシュートで失点。スルーパスを通されての、ウタカの一撃。
とはいえ十分な準備時間があって、正面からのシュート。後半に大ピンチを防いでくれたけども、日本代表の正GKを目指そうって男が、正面からのシュートを股間抜かれたらアカンよ。酷なようだが、あそこは防いでほしかったぞ、谷。
長いこと押し込まれていたけれど、時間はかかったものの盛り返すことができた。同点ゴールが生まれたのは、70分に両ワイドを交代させた直後だった。
トラップひとつでDFの逆をついて、角度のないところからゴールの逆サイドに突き刺してみせた町野素晴らしい。このゴールだけじゃなく、交代までピッチ上で相手の脅威であり続けた。今年は町野の覚醒年になるかもしれないぞ。
威勢が良い22歳FW。「湘南の新エース」になる可能性を秘めている | サッカーダイジェストWeb
更に残り10分で数的優位も得て、そこから再び湘南の時間。大橋のヘッドがクロスバーを叩き、こぼれ球に瀬川がダイビングヘッドで飛び込んでも入らず。永木の強烈なミドルもGKに阻まれ。谷を、チームを、救う機会は何度もあったがなぁ…。
アディショナルタイムに入ろうかというタイミングで負傷交代したウェリが、ちょっと心配。痛みに強い印象のあるウェリが、泣きそうな顔で引き上げていった。打撲程度で済んでくれていたらいいんだが。欠場だとしても長引かないといいなぁ…。
総評:☆☆☆☆☆
前半で先制できなかったことで自らの首を締め、後半開始早々に安い失点したことで守護神がチームを救えず、猛攻の末に結局得点できなかったことでチームが守護神を救えず。合わせて☆3つマイナスである。
勝利がマストだっただけに勝ち点1では満足はできないし、実際に勝てた試合でもあったろう。ただ、少なくとも上記3つのどれかがひっくり返っていたら、勝利に手が届いていたわけだから、目に見えた進歩はあった。そこは評価しないとね。
京都戦で見えた光明。アグレッシブに襲い掛かる湘南の“新3ボランチ”は圧巻だった | サカダイWeb
やはりというか、個のチカラなのか周りとの効果なのかはわからんが、永木が入ることで好転した模様。永木選択の優先度はかなり上がっただろう。バラちゃんも平岡もやーまんも控えている。まだまだ最適解を目指して試せる組み合わせは多いぞ。
『キジェチルドレンで補強したキジェ京都』に、『キジェチルドレン以外が中心となりつつある山口湘南』が勝つことで、"卒業式"としてのストーリーがより完成されたものになったハズなんだがなぁ…上手くいかないものだ。
贈る言葉
正直なところ、まだキジェさんと向き合いたくはなかった。去年の終盤は、湘南のJ1残留と京都の昇格失敗を同時に祈っていたくらいだ。あと数年先、湘南がもう少し生まれ変われたくらいに再会できたらよかったのにな。
前回こんなことを書いたのは、キジェさんの薫陶を受けた選手達がほぼいなくなった頃合いに対戦したかったからなんだよな。その上で勝って「もう貴方は湘南の過去です」と告げて別れたかった。まだ少々早くて、勝てもしなかった。中途半端な!w
罪は消えないが、罰を受け、自らの手腕で同じ舞台まで戻ってきた。区切りがつけられる日が来てしまったし、つけなければいけない。あの"輝かしい日々"が、この日をもって過去のものになった。なってしまったのだ。
きっともう、どうやっても同じ道は歩けないんだろう。彼の一番の罪はパワハラ行為で、二番目の罪は心ならずも湘南ベルマーレを壊滅寸前まで追い込んだことであり、一番の罰は湘南ベルマーレに二度と関われないこと…だと思うから。
「さよなら、キジェさん。もっと別な形でお別れがしたかったです。」
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次の試合は
敵地に乗り込んでの鹿島戦ですよ。いやー2019年以来ですな。ハラミメシが食べられるというだけでも、こんなにも嬉しいなんて!ワーイヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノワーイ
その鹿島さん、川崎にこそ負けたものの、ガンバ柏神戸を撃破して開幕から快調なペースで勝ち点を積んでいる模様。暫定で岩政コーチが指揮していたけれど、新監督が合流して湘南戦から指揮を執るそうな。そこがどう影響するのか、しないのか。
湘南はもう、ね。京都戦を最低ラインにしていかなければ、去年のラインにも届かないわけだから。どうすればいいか、もう忘れんだろうよ、二度と。リスペクトしすぎず、ミスを恐れず、キックオフからフルスロットル。頼むよ、ホントに。
もちろん結果がついてきたらサイコーだ。でも鹿島さん相手に一定の内容を残せれば、今後にも期待できるってもんだ。永木よ、恩返し頼むぜ。あと鈴木優磨に仕事を絶対にさせたらアカンぞ、とだけ言っておこうw。