今年、リーグ戦のＨ／Ａで鹿島に連勝したのは、浦和とＧ大阪…そして湘南だけらしい。タイプとしては苦手なはずだが、アウェイではそれを上回るバイオリズムの低下につけこんで、ギリギリで勝利できた。今回のホームでは、前半何故かユルかった鹿島から二点を奪って逃げ切った。
鹿島は４バックのうち２人が出場停止だったらしいが、こちらもバイーアさんの復帰が間に合わなかった。代わりにセンターにワタルが入り、シマムーが右サイドへ。前節猛威を奮った星矢とコバショーのコンビは、今日も右サイドを制圧せんと揃ってスタメン。
先制点は５分という早い段階で生まれる。センターライン付近の競り合いから、その右サイドをポンポンと３人が縦につないで、中央でフリーのダイスケへ。左サイドを駆け上がってきた三竿にパスしたところで少々もたついたが、高山からのクロスを俊介が蹴りこんでの先制ゴール。
ＦＣ東京戦の勢いそのままに、ゴール前に６人が攻め上がっての望外の先制に、スタジアムは早くも沸点に達する。ホーム最終戦で有終の美を飾るべく、ピッチとスタジアムが一体化した。
前半に関しては、とにかく鹿島のユルさが目立った。前線の金崎の奮闘は目立つものの、中盤のプレッシャーも弱く、ロングボールは収まらず、ここぞのパスが通らない。流れを押し戻させないハイプレッシャーと、縦横無尽に駆けまわる湘南の動きの良さとは対照的だった。
そして３０分、コーナーからのこぼれ球をコバショーが押し込んで湘南２点目。まさかの前半のうちに２得点。得点を取りに行って奪い取れるようになったことが、今の勢いを生んでいる。
後半からようやくエンジンに火がついたか、後半立ち上がりから湘南を押しこむ鹿島。２ｎｄ優勝を目指して負けられない意地が、湘南の勢いを削ぐ。２点リードしている余裕もあるんだろうが、それにしても湘南は攻めこまれすぎ。ラインが下がりすぎて前への圧力がハマらない。
怒涛の猛攻を見せる鹿島だったが、失点はロスタイムまで許さなかった。ギリギリしのいだのと外してくれたので、５～６点はあったのではないか。それくらい圧倒された。それこそ１ｓｔの試合を思い出させたが、シュート２１本を防ぎに防いで、リードを守り切った。
二試合連続の上位イヂメを完遂して、ホーム最終戦は見事な大団円。最後守りきれなかった部分は反省材料としても、前半は監督が今期ベストと自画自賛しちゃうほどの良い内容。ベストメンバーは組んでこないかもしれないなんて思ってたのが恥ずかしい。恐れいりました曺監督！
そしてホーム最終戦セレモニー。Ｊ１残留を決め、当日の試合を快勝しての、とても和やかな雰囲気。そんな中にも、監督と永木とワタルへの”強い”メッセージのダンマクが踊るゴール裏。湘南に残って欲しい。湘南から直接世界に羽ばたいてほしい。熱意を少しでも伝えるべく。
眞壁会長は言った。
「もうお気づきかもしれませんか、来年の年間シートの一部をＪ１リーグの平均に見合わせ、上げさせていただきました。…私を怒ってください。小さいクラブの大きな挑戦を支えてください。小さいクラブと申し上げましたが、いつまでも小さいクラブに安住するつもりはありません。」
「我々の行く先は厳しいかもしれません。しかし遠くに見えた頂が、すぐ目の前まで来ています。この厳しい頂点を目指して、皆様といっしょに登って行きたい。そう思っています。苦しいことがあっても楽しさに変えて、１ｍｍ、１ｃｍをまた明日から走って行きたいと思います。」
まだシーズン終了まで一ヶ月もあるということで、キャプテン永木と曺監督の挨拶は短く。その中でも曺監督は「来年”も”頑張りましょう！」と最後に力強く締めくくってくれた。これは来季以降もしばらくは安泰だと思っていい…んですよね！？
セレモニーの最後に、動画が流れた。タイトルは『ON THE WAY』…まだ夢の途中であることを意味しているそうな。全ては通過点。リーグ制覇、チャンピオンシップ、天皇杯、その向こうにはＡＣＬ。一つの夢をかなえて、今ようやく、続きの夢を語れる立場まで来れた。
１２勝１１敗９分、勝ち点４５で柏／名古屋と年間８位を争う。一桁順位／勝ち越し／得失点差プラスと、まだまだ目指すべき目標はある。残り２試合、新潟と広島。難敵どちらかに最低１つでも勝てなければ、全ての目標達成はできない。最後まで緊張感のある試合を期待したい。
あ、最後に。
ホーム最終戦だというのに(笑)、湘南ベルマーレ公認応援ソングが発表されましたよ。思っていた以上には良い曲でした。ぜひぜひ下記リンクへどうぞー。
