湘#48 れび@湘南サポBLOG Ver.2

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【J1・2nd第14節_vsFC東京(A)】 『TAKE ME HIGHER』○2-1

一言で表すなら、感無量…だろうか。山形戦の不甲斐なさと天皇杯松本戦の煮え切らなさを、完全に過去の出来事に追いやるほどの、最高の試合内容と最良の結果と、そしてJ1残留という目標の達成。全てを自分たちの力で掴み取った選手たちに、心からの拍手を送りたい。

この試合、事前情報でコバショーがシャドーという話が漏れ伝わってきていた。FC東京のキーパーソン太田のいる右サイドを星矢と共に制するためだという。それでやっと天皇杯松本戦の星矢4バックの右サイド起用に合点がいった。全てこの試合のための実戦テストだったんだ。

いや、それでも一発勝負の舞台でやっちゃうのは今でもアカンけどもねw。それでも右サイドをコバショー&星矢で制圧するための模索なら、少しは頷けるというものだ。今回はワタルも復帰してきているから、4バックにする必要も無いわけでね。

ワタル復帰で万全かと思われたDFラインだったが、キックオフから10分でバイーアさんが負傷交代、試合は風雲急を告げる。ワタルが中央を埋めてシマムーが右に入って急場をしのぐが、そこから前半はFC東京の時間帯が続いた。しかし圧されながらもシュートには至らせず。

ただ、試合後のワタルのコメントで、攻めさせて相手を引き込んでカウンターを狙っていたことが判明。今期ここまで最少失点の堅守FC東京、その牙城を崩すための策が功を奏していた。前回対戦時は相当な壁の厚さを感じたものだが、この日は返す刀で何度も斬り込めていた。

拮抗した展開の中、FC東京にもアクシデント。20分過ぎにダイスケのドリブル突破を身体で防いだ、FC東京のもう一人のキーマン森重が足を負傷。プレーは続行したものの精彩を欠いていく。キーマン2人が機能不全に陥ったことも、相手の攻撃を鈍らせた要因かもしれない。

このままスコアレスで前半が終わるかという瀬戸際のロスタイム。右サイドでのキリノの突破阻止でFKを獲得。蹴るのは、最近『剛球FK職人』として目覚めつつあるキャプテン永木。

右足から放たれた無回転シュートは、ゴール左隅に吸い込まれんとする寸前でGKが何とかパンチング。こぼれ球を高山が拾ってすかさず右足アウトサイドでゴール前に戻すと、そこにはドフリーでコバショーが。ノンプレッシャーでゴールに蹴りこんで、前半を1-0で折り返す。

永木のゴール直後に森重がこらえきれずに交代したFC東京。2nd優勝を狙うためにも負けられないと、後半開始から積極的に前に出る。良い時間帯に先制点をもぎとって更に相手を前に引き出したのはいいが、牙を向いたFC東京に後半開始早々に同点弾を叩き込まれる。

確かにここしか無いというコースだったけど、ここはシマムーが落ち着いて対応していたら防げたんじゃないかなぁという気がしないでもない。もったいない形での失点だった。

更に一気呵成に前に出てくるFC東京だったが、そこが湘南の狙いどころ。若干間延びした相手のブロックをかいくぐり、5分後には更に突き放す決勝点を奪ってみせてくれた。

1:相手を5人ほど自陣に引き入れたところで、センターサークル付近で永木がボール奪取。

2:そのままドリブル。ダイスケの待つ左サイドを三竿が追い越さんと駆け上がる。

3:そちらは使わず中央の高山にパス、と同時に右サイド奥をめがけて星矢が長距離ダッシュ。

4:高山はコバショーへ縦パスも相手DFがクリア。そのボールが星矢の足元にこぼれてくる。

5:フリーの星矢、狙いすましてGKとDFの間のスペースに低空高速クロス。

6:ニアのキリノには合わないが、大外から走ってきたダイスケがダイビングボレー!!

この時、実にペナルティエリア近辺に8人もの湘南の選手が雪崩れ込んできていた。ゴール前で勝てなくても、こぼれ球は仕留めてやるぞというチーム全体での強い意志が、そこにはあった。

闘将永木の強さがカウンターのトリガー。信じてダッシュした星矢の足元にボールがこぼれてきたのは、けして偶然じゃない。そしてコバショーに続いて、ユース出身のダイスケが奪った決勝ゴール。まさに湘南スタイルの真骨頂であり、二年間の集大成とも言える見事な攻撃だった。

時間にしてまだ後半の10分。ここから試合終了までのカタルシスは、ちょっと明確には表現しきれない。頂を目指す強い相手と、互角以上の闘いをしてくれている。ゴール目前まで迫り、ギリギリのところで跳ね返す。互いの持ち味を十二分に出した、激しい闘いを、だ。

二年前、最終的に6勝21敗7分で終わる年に降格が決まったスタジアム。そこで、良い試合悪い試合を積み重ねた先にJ1残留を自力で掴み取るために、一年闘ってきて疲れて傷んだ身体に鞭打って、今期一番とも言える良い試合をしながら勝とうとしているんだ。最高じゃないか!

最後の最後、ロスタイムのピンチを何とかしのいで、高らかに鳴るホイッスル。爆発する歓喜。アウェイで踊るのはいつでも最高だけど、この日の勝利のダンスは格別だったねぇ…。年間順位で8位、11勝11敗9分でJ1残留確定。よくもこんな高みに連れて来てくれたもんだ!

この日は朝から曇天時々小雨だったんだけど、試合が終わって見上げてみれば、ウソみたいな高くて蒼い綺麗な空。まるで積年の夢を掴んだ湘南ベルマーレを祝福しているかのようだった。

という訳で、残り3試合で最大の目標を達成。そんな日の翌日に『監督の契約は今年までで来年は白紙』とか発表しちゃう社長の脳天気さに、少々頭を抱えましたが(苦笑)。去年の調子だと怪我がちな選手はスタメンから落として、ヘロヘロな試合になっちゃうんだけど、どうなるか。

ホーム最終戦の相手は、アウェイの初戦に『アリソン台風』で勝った鹿島。当時の鹿島はチームのバイオリズムが最悪だった。上位を争う今闘うことで、見えてくるものもあるだろう。是非ともベストメンバーで戦いたいところだけど…やっぱり選手落とすんだろうなぁ…多分。

最大の目標はクリアしてるから、どんな結果になっても「まぁいいか☆」でホーム最終戦セレモニーをやっちゃうだろうけど、やっぱり勝利でエンディングを迎えたいなぁ。上位陣との勝ち点差は開いてしまったけれど、ここまで来たら秋空の向こうの少しでも高い景色を見たいものだ。