湘#48 れび@湘南サポBLOG Ver.2

スポーツナビ+(ブログ)サービス終了に伴い、引っ越してきました。湘南ベルマーレを応援していきます。

【J1・2nd第06節_vs清水(A)】 『笑門来福』○2-1

笑顔で暮らす人には、自然に幸運が巡ってくるものらしい。また一説によれば、笑顔とは本来攻撃的なもの…らしい。そして湘南に、30歳の誕生日直後のアウェイ清水戦に並々ならぬ気合いで臨む選手がいた。ピッチ外ではチーム1の癒し系、島村毅である。

かつて「早稲田の虎」と呼ばれたほどのファイター系FWだったDFは、2010年に0-5で大敗して降格が決まった地でのリベンジ(当時もスタメン)に、静かに心を燃やしていた。

何といっても、公式の誕生日おめでとうのツイートが↓この笑顔ですもの。この笑顔の裏にこの試合への苛烈な思いを隠していた事を知るのは、試合後のコメントが出てからの事だった。

今日は島村毅選手の、記念すべき30歳のお誕生日!!シマ、おめでとう!!そして、今朝起きたら愛犬・ガブリエルくんもお祝いしてくれたそうです!笑 #bellmare pic.twitter.com/QfKRW6C3gT— 湘南ベルマーレ (@bellmare_staff) 2015, 8月 10

スタメンは、前節快勝の柏戦から3バックの左サイドを精密クロスの三竿→高さ対策の島村に替えたのみ。東アジア杯の3戦連続フルタイム出場で大いに株を上げたワタルもスタメンなのは、予想できていたとはいえ驚いた。ホント、伸びシロが計り知れない『湘南乃至宝』である。

中断期間の外部への情報を完全にシャットアウトしてきた清水。漏れ伝わってくるのは「守備の再構築」というキーワードと「勝つ確率を上げる準備をしてきた」という前日の田坂新監督のコメントくらい。ここまで事前情報が無いのは開幕戦くらいじゃなかろうか。

試合が始まってしばらくは、清水のDFが守備を意識するあまりかラインが低めで両サイドのプレッシャーも弱く、前線との間のスペースを湘南が支配できていた。前掛かりな分だけ鋭いカウンターを狙われることもあったが、チーム全体での素早い帰陣で対応できていた。

ラッキーな先制点が転がり込んだのは前半8分の出来事。永木が右サイドから上げたボールに、ゴール正面でヨンアピンがジャンプするも何故か触れず。クリアされるだろうと気を抜いて(?)ゴール方向を向いていた犬飼の膝にジャストミート。綺麗に自軍ゴールに流し込まれた。

勝利という結果をもって勢いに乗りたい清水に、先制点を与えてはマズいとは思っていた。このラッキーな先制点で湘南ペースに持っていけるかな…と思ったけど、そこまで甘くはなかった。

34分に負傷で清水のDFヤコヴィッチが竹内に交代すると、守備が修正されて湘南の自由さが失われ、試合のペースは清水に移っていった。湘南も守備陣の奮戦で何とかゴールこそ防いでいたが、徐々に清水のタレントが輝きを増していく。後半にはそれが更に顕著になっていった。

清水の同点ゴールが生まれたのは、劣勢の続く後半16分。右サイドから強く鋭いクロスを入れられると、大前がそれを右足のアウトサイドで流し込んだ。敵ながらアッパレの見事なゴール。

自分の左から飛んでくるボールを、左足のボレーで強く叩くでもなく、右足のインサイドで流し込むでもなく、体制を崩してでもボールの勢いを殺さずに右足のアウトサイドで方向を変える選択をあの瞬間にできるセンス。大前元紀という選手のポテンシャルを感じるゴールだった。

同点に追いつかれた直後、湘南ベンチも動く。同点の起因となった右サイドのコバショーに変えて三竿を投入、左のダイスケと入れ替えることで中盤の活性化を図る。それでも試合としては最後まで四分六で清水のペースのままだったが、この三竿の投入が決勝ゴールを導くことになる。

時間にして後半32分。右サイド奥で途中投入のアリソンがファールを貰ったFK。キッカーは三竿。左足から放たれたボールは、狙いよりも大きく弧を描きクロスバーに直撃。チャンスは潰えたかと思ったところ、ボールの落下地点にノーマークで立っていたのが…あの島村だった。

いつものようにワタルもバイーアさんもゴール前に上がっていたので、なんとCB3人全員がペナルティエリア内にいたことになる。…普通は自重するとこだよ、そりゃ監督も「なんでシマがあそこにいるのか分からない(笑)」とか言っちゃうわけだよ。

それでもゴールへの渇望と、この試合に賭ける執念と、元FWとしての嗅覚が、島村をあの位置に動かした。フリーで余裕があるところで、まるでスローモーションのように胸でポーンと軽くトラップ。落ちてきた所をショートバウンドで右足一閃。ボールはゴール左隅に吸い込まれた。

そこから試合終了までもピンチは多発した。しかしGK秋元の華麗な「絵になるプレー」を中心に、最後まで集中して守りぬいた。もう何度も書いてるけどバイーアさんの安定感&安心感と、ホントに誰よりも厳しい連戦のはずのワタルの献身、ハイボールを跳ね返し続けた島村の強さ。

あと目を引いたのは、後半29分から投入されたアリソン。ちょっと雰囲気が出てきた。今回は得点に絡むことはできなかったけど、再びヒーローになる試合は近い…かもしれない。

そして…試合終了。真夏の連戦の初戦を、我慢を重ねて掴み取ることができたのは大きい。もしもラッキーなオウンゴールで先制できていなかったら。清水が後半の調子で前半から攻勢に出てきていたら。もう少し熟成期間を経ての対戦だったら。この勝利は無かったかもしれない。

これにて9勝8敗6分で勝ち星先行。勝ち点33は年間順位で単独7位。6位鹿島と勝ち点2差という位置で戦えている。気にしてなかったけどw、2ndの順位が5位まで上がってた。

しかしここから浦和(A)/川崎(H)/G大阪(A)と続く。アウェイ浦和戦はもう明後日だ。リーグ戦も残り11試合、この3連戦でどんな結果を残せるかが、その後の8試合に大きく影響する。難しい試合になるだろうが、ここがチームの成長と深化の見せ所。乗り切ってみせてほしい。

最後に。今回の主役である島村毅の、2010年の降格決定後のロングインタビューのリンクを貼っておこう。当時25歳、怪我人多発のJ1サバイバルを経験したからこその、リアル。

ポジションよりもこだわっているのは、試合に出ることとその試合で勝利すること。試合出場を勝ち取って笑いたい、そして試合に勝って笑いたいのだ。

クオリティを磨き続け、チームに生き残ってきたからこそ、今がある。おめでとうシマムー!

【ボイス:11月27日】島村毅選手の声:http://www.bellmare.co.jp/23352

実はこの日、自分自身はズタボロでして。前日色々あって一睡もできないまま清水に乗り込んだはいいけど、当日のチケットを忘れる大ポカをやらかして現地で買い直したり。試合前に清水港でお魚食べようと思ってたのに、食欲無くなって食えなかったり。

スタジアムで無理矢理焼きそばを胃に押し込んで声出しを始めたのはいいけど、ウン十時間寝てないまま大声出してたら前半途中で完全にガス欠になって立ちくらみ。後半からはスタンド後方の空席に移動して、座ったまま観戦してましたわ。よく倒れなかったもんだ。

ダメ押しで清水駅まで戻るシャトルバスが大混雑でなかなか乗れず、清水駅に到着したのは22時37分。歩いた方が早かったんじゃないかってくらい。バス待ちで行列で突っ立ってる間、なんかもー眠気が限界越えちゃって逆にハイになってましたわw。

それと最初の画像にもある通り、この日は『チキンラーメン生誕祭』的な日だったんですけどもね。ファールとかで試合止まる→モニターに何か流れる→リプレイ映像かと思ったらチキンラーメンのCMでズコーッ…というのが連発したんですよ。

正直イライラしましたが、イライラしながらもつい笑っちゃったのでコチラの負けですw。