有利な条件であるはずのホームの芝に足を引っ張られるというのは、どんな気分なのだろう。幸いなことに湘南はホームの芝にだけは恵まれているので、その苦悩はわからない。
開幕戦の大勝で勢いに乗ってホームに戻ってきた神戸と、アウェイの地で互角に渡り合えた。先制されてもそのまま流されなかったのは、ノエスタのピッチコンディションが湘南に味方したのも確か。好きにボールを回されていたら、試合はどうなっていたか。
キックオフ直後から、試合は球際の激しい競り合いが各所で頻発した。思うようにいかないパス回しから、こぼれ球をどちらが保持するかの勝負になっていた。湘南の場合は元々パス回しが抜群に上手いわけではないので、普段とそれほど変わらない調子に見えたが…ｗ。
湘南は序盤から集中して守備できていたが、前半１８分に隙を見せた瞬間に先制を許す。ぽっかり空いたスペースに走りこんできた相手ＤＦにマークにつききれず、わずかに空いたコースにミドルシュートを叩きこまれてしまった。だが、ここで簡単に心折れないのが今の湘南だ。
圧されず押し返す。奪われたら奪い返す。単体の鍔迫り合いで簡単に負けないことが、Ｊ１で押し切られない第一歩。同点弾もダイスケが意地の張り合いに勝利したことがゴールに繋がった。
ダイスケが奪われて、相手が攻めに転じてわずかに重心が前に傾いたところを自分で奪い返し、その分で空いたスペースでノーマークになっていた永木に三竿からのパスが通る。自分とＧＫの間にＤＦが重なる瞬間に、ゴール右隅にミドルのコントロールショット。
味方の攻め上がりを待ってチャンスを逃すでもなく、単独でドリブルで斬り込んでロストするでもなく、自分がフリーなことを自覚して落ち着いてコースを見極めて、きっちりゴールを決めてみせた。永木の成長を感じた瞬間だったし、ハリルさんにも少しはアピールできた…かな？ｗ
そこから試合終了までは、実力拮抗のボクシングを観ているかのよう。あと少し攻め込めばダウン(ゴール)を奪える…というところで凌ぎ合う熱い試合になった。最後まで集中を途切らせることは無かったが、決め手にも欠けていた…とも言えるのだが。あと一歩だったんだがなぁ。
あれほど怖かったマルキさん＆レアンドロも、荒れたピッチに助けられたかあまり機能していなかった印象。この状況で平塚開催だったら、どれだけ困ったことになっていたことか。
これにて２ｎｄは１勝１分。年間でも７勝７敗５分で８位をキープ。次節(今日)の相手はホームで甲府。１ｓｔで勝利した時には監督交代前だった。交代後はキッチリ守備を徹底して快進撃、湘南戦以降は８戦して１敗しかしてない。あの城福時代を彷彿とさせる雰囲気だ。
だがしかし。もう城福甲府を倒すことはできないが、ここをキッチリ突破してこそ当時の悪夢を振り払うことができる。１ｓｔの勝利は忘れて、まっさらな気持ちで立ち向かい、勝ちたい。
