二年前の悪夢は完全に払拭された。湘南は期待に応え、二年間のスタイルの深化を改めて証明してくれた。スコアレスだったのにも関わらず、スタジアムも最後まで盛り上がり続けた。今期一番の盛り上がりだった！
もちろんこのドローは広島に肩を並べたことを示すものじゃない。実際のチームの実力は、まだまだ大きな差があるのは間違いない。後半途中の大きな地震で試合が一時中断した影響は、加味しなければならないだろう。あの中断は、湘南の疲労回復に大いに寄与したはずだから。
同じノーゴールでも、広島のシュートを必死に防ぎ続けたのとは対照的に、湘南のシュートは枠を外れつづけた印象。もちろん逆のケースもあったけども、絶好機の数では負けていた。
広島の攻撃のビルドアップは二年前と変わらず良質で、試合開始してからしばらくは悪夢再現かと思ったものだ。しかし試合が一度落ち着くと、景色が一変していることに気づく。確かにプレスがなかなかハマらずに攻めこまれてはいるが、こちらの反撃も確実に通っている。
二年前は高山とコバショーに両サイドを走らせるくらいしか武器が無かったが、サイドから中央からじっくりと攻め、縦に素早いパスから好機を演出できていた。広島の守備は柔軟で、こちらの攻勢を受け止めて徐々に勢いを弱め、ゴール前では決定的な場面を作らせてくれなかったが。
開幕してしばらくは、縦への攻撃を急ごうとするあまり、逆に手詰まりになってしまうことも多かった。ＦＣ東京／マリノス／ガンバの三連敗以降あたりから、選手が流動的に動いて相手のブロックを中央突破できるようになってきている。あとは決定力とは言うまいｗ。
守備はようやく安定してきたか。前に人数をかけるスタイルだから、ハマらないと大量失点の試合もあるけれど、ある程度攻めきってからの反撃は防げている。失点数ランクも中位まで戻してきた。攻撃と一体化した守備だけに、攻撃が形になれば守備の安定性も増すんだね。
安定してスタイルが発揮できるようになれば、チームへの期待感も増す。この日のスタジアムは試合開始前から大いに盛り上がり、その雰囲気はまさしく『平塚劇場』と呼ぶに相応しいもの。ある程度の結果を残し続けて、この雰囲気と熱量を持続していければいいね。
二年前のあの日の『無力感』から、一定の手応えとはつらつとした内容からの『充足感』へ。あの日は周回遅れでレースにさえなってなかったけど、今回は少しは追い回すことができた。競争力を上げていって、いつかストレートでブチ抜くけるようになれたら最高なんだけども。
このドローで勝ち点１を積み上げて、５勝５敗４分で暫定７位。ちなみに２０１３年のＪ１での戦績が６勝２１敗７分…何というか、勝ったり負けたりできているというだけで幸せｗ。今年は中位以降が混戦模様だけに、このまま油断せずに戦っていきたいところ。
そして早くも今日(またか…)ナビ杯予選リーグ最終戦、ＦＣ東京戦ですよ。いよいよ噂の武藤くんが移籍決定して残り試合も少ないってことで、ＦＣ東京のサポさんも大挙して押し寄せてくれることだろう。そして何より、マルのスタメンがほぼ確定っぽい。久々の再会が嬉しい。
ここまで来たら予選を勝ち抜きたい。その為にも勝利がほぼ絶対条件。武藤くんの一発で負けたリーグ戦の借りを、何とか手痛い形でお返ししたいものだ。今度こそ爆発せよ、プリン岡田！
