北九州にとって誤算だったのは『湘南乃魂』永木亮太が欠場したことだろう。そして、代わりに出番を得た選手がここまで躍動して、自軍を追い込むとは予想していなかったはずだ。
ウェリントンがイエロー累積で欠場というだけなら、決定力は落ちても圧力は落ちない。そう判断したからこそ『真っ向勝負を避ける』ことにしたはず。でも、メンバーから永木が消えたことで、少し迷ったんじゃないかと思うんだ。予定通り引くか、真っ向から攻めるか。
そして、当初の準備通りに北九州は「引く」選択をした。しかし、ラインを下げて８人でゴール前を固めている割には、北九州ＤＦ陣のブロックは人数がいるだけで寄せが甘くて緩かった。水戸愛媛富山あたりの気迫で守られていたら、展開は大きく違ったんだろうけれど。
ＤＦの緩い隙間をめがけて、喉笛を食いちぎらんばかりの勢いで、出番に飢えた狼達が飛び込んでいく。そこには今まで引いた相手に攻めあぐんでいた姿は無かった。これも磐田戦効果…あの場に立てなかった悔しさをもぶつけるような猛攻から、前半の２点は生まれた。
後半も同じように守ってくるなら大量点もあり得るかと思ったが、流石にプランが崩れて火がついたか、前がかりになって仕掛けてくる北九州。ここで湘南にも永木が欠場した誤算が露呈する。攻守共に圧倒されて、後半はほぼ北九州に試合を握られてしまったのだ。
北九州の最大の誤算であり湘南の幸運は、北九州が永木の不在の影響を見誤ったこと。積み重ねた勝利という名の後光が、判断ミスを呼び込んだと言ってもいいだろう。後半の戦い方で試合開始から挑まれていたら、狼達を調子づかせることもなく、試合は混沌としたに違いない。
永木がいないとここまでチームとしての形が出せないものか。これまでフル出場していた永木の貢献が絶大だったということでもあるのだが、そこに依存してばかりもいられない。誰かがいないと貫けないスタイルなんて、張子の虎でしかない。湘南もまだまだ未熟ということだ。
それでも最後の防波堤を破らせなかったという点だけは、評価してあげねば。この試合だけでなく、２０試合で失点９というのは驚異的なんてものじゃない。何かがオカシイｗ。
次節はアウェイで群馬戦。前半戦の最後を締めくくる第21節だ。数字を目指して戦っているわけではないけれど、ここまできたらどうせなら、前半戦終了時に一桁失点＆勝ち点６０到達…なんて夢を見せてもらいたいものだ。
個人的にはＷ杯日本戦ＰＶ参戦(＆磐田遠征ｗ)で無茶したので、群馬遠征はお休みして身体と財布を休めるつもり。復活のウェリントンがどこまでやってくれるか、楽しみだ！
