受け入れがたい現実が目の前にあった。勝って初めて降格圏脱出の扉が開き、先の道に明かりが灯る、その重要な試合に敗れた。湘南と甲府のチームもサポーターも、重要性をわかっていた。その上でついた残酷な決着。
試合は前半のうちに、互いに短時間の間に1点ずつ取り合う展開。押され気味ではあるものの、互いの長所を消しあって膠着していた。湘南も後半、大竹梶川を投入して攻撃のリズムを変えるも、甲府に上手く対応されて磐田戦の再現とはいかない。
決勝ゴールはスーパーゴール。一度枠の外に逃げて一瞬安心させてから、ククッと曲がってゴールにギリギリ吸い込まれていったのが、湘南のゴール裏からはよーく見えた。こんな試合の決着には相応しいといえば相応しいのだが、決められる方としてはたまったものではない。
湘南はといえば、決定機で相変わらずシュートが枠に飛ばない。GKに触らせるだけでもいいのに、それすらできない。最大の好機をこの日も高山が決めきれず、スーパーゴールとの明暗くっきり。
秘密のまま出てこなかった秘密兵器ステボは、今はウェリントンのスペア扱いなのだろうか。決定力があるらしい新外国人、ベンチ入りさせたからには使う意図はあったはず。交代枠を一人DFで使っちゃったというのはあるにしても、劣勢のこの決戦で使わないのならベンチ入りさせた意味がわからない。
スタジアムは磐田戦の流れで良い感じに盛り上がっていたが、試合終了と同時にお通夜状態。選手が挨拶に来ても正直声のかけようがなくて、声援もブーイングもできなくて自分は立ち尽くしていた。
そんな時、コルリダさんから予想もしていなかった声が。曺監督がゴール裏にやってきて、サポーターに直接話がしたいらしいから、残って集まってくれ、とのこと。
どんな話があったかは、この動画を見てくださいな。→ http://www.youtube.com/watch?v=SMOsN3BL2Rk
わざわざサポーターに監督の口から正直な思いを伝えに来るというのは、控えめに言っても異常事態だ。本当に危機感を持って、かつ先を見据えて日々戦ってくれているのは伝わってくるけれど。
でも、そんなことよりも、まずはこの試合を勝たねばならなかったんだ。どんなにボロボロになったとしても、例えば来週水曜の柏戦で主力が何人もレッドや累積や怪我で出場できなくなったとしても、この甲府戦だけは落としちゃいけなかった。
甲府とは勝ち点4差、清水とは9差に広がり、もう直接対決は無い。鳥栖とは6差、唯一アウェイ戦が残っている。残り12試合しか無い中で、再び重く閉ざされた降格圏脱出の扉に手が届く日は来るのだろうか。
チームはもちろん諦めていない。サポーターも可能性がゼロになるまで絶対に諦めたりしないし、ゼロになったって応援することに変わりない。来季もJ1でプレーするために、今は必死に足掻いていくしかない。今日の負けを数日後の柏戦まで引きずらないようにしないと…チームもサポーターも。
残り12試合しか、無いんだ。