プロスポーツ興行だけでなく、全てのサービス産業が大打撃を受けた2020年。映画館も例外ではなく、休館や座席間隔を空けた縮小営業を余儀なくされた。更に追い打ちをかけたのが、新作映画が軒並み公開延期になったこと。
そんな中、旧作を上映するなどして綱渡りの生き残り作戦を続けていた映画館に、年の瀬に救いの手が。まさかまさかの興行収益歴代1位爆誕。多くの映画館が救われたことは本当に喜ばしい。…俺観てないけど(小声)。
映画館が休館せざるを得なかった
— イオンシネマ【公式】 (@AEON_CINEMA) 2020年12月28日
2020年前半
興行収入歴代No.1作品が公開された
2020年後半
去年の今頃はこんな年になるとは想像もしておりませんでした。
『劇場版「#鬼滅の刃」無限列車編』をはじめ、2020年公開作品の制作や鑑賞に携わった全ての方へ御礼申し上げます。https://t.co/UJUK6yXOUA pic.twitter.com/C08PG4R4au
そんなわけで、今回は少なく6作品。そのうち4つが旧作だったりします。
・仮面ライダージオウ NEXT TIME ゲイツ、マジェスティ
・アベンジャーズ(2012年)
・機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(1988年)
・機動警察パトレイバー the Movie(1989年)
・劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME
・この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説(2019)
仮面ライダージオウ NEXT TIME ゲイツ、マジェスティ
- 02/29(土) 新宿バルト9
Vシネクスト『仮面ライダージオウ NEXT TIME ゲイツ、マジェスティ』
仮面ライダージオウ NEXT TIME ゲイツ、マジェスティ - Wikipedia
『ジオウ』TV本編の最後に、歴史を改変して普通の高校生となった主人公達。2号ライダーの位置づけだった仮面ライダーゲイツ(に変身していた明光院ゲイツ)が主人公のオリジナルビデオ作品の先行上映。
作品人気の高かった『ジオウ』最後の映像作品、とはいえ短編60分の期間限定上映。どれほど客席が埋まるかと思えば、ほぼフルハウスの大盛況。ゲスト出演も人気の2号ライダーが集まったので注目度は高かったのだが、ちょっと驚いた。
『ジオウ』らしく理屈を勢いでなぎ倒していってw、続編を大いに示唆しながら終わったものの、続報は無い模様。んー、少々もったいなくもあるが、まぁここでスパッと終わったほうが良いのかな。平成仮面ライダーシリーズ、ここに完結。
“仮面ライダーゲイツ”押田岳「ゲイツのことは8割忘れて…」 主役の重圧と挫折を語る
アベンジャーズ(2012年)
- 06/07(日) グランドシネマサンシャイン【BESTIA/2D/字幕】
アベンジャーズ (2012年の映画) - Wikipedia
緊急事態宣言明け。映画館そのものも、ようやく営業を再開した直後で客足が遠のいていて…と苦境に立たされていた時期。過去の名作で何とか乗り切ろうとしていた頃ですな。新作映画が軒並み延期で、グッズ売り場も閑散としていたっけな。
MCU作品もいくつか上映された中で、コイツをチョイス。言わずとしれたヒーロー大集合映画の第一弾。遅れて流れに乗った人なので、機会があればぜひとも映画館の大スクリーンで観たかったのですよ。
内容は今更特に言うことは無いw。みんな内容知ってて観に来ていると思うんだが、ロキがハルクにビッタンビッタン叩きつけられる場面では回避不能で笑いが起きてたw。同時に上映してた『エイジ・オブ・ウルトロン』とかも観たかったなぁ。
不幸中の幸い…というのもオカシイけど、昔の映画を最新の音響で再び堪能できた期間というのは、貴重だった。こんな機会はもう来ないだろうな。
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(1988年)
- 06/07(日) グランドシネマサンシャイン【BESTIA】
『アベンジャーズ』と同日、というかこちらが本命。30年以上前の作品である。当時映画館で観た。ビデオソフトでも観た。円盤でも観た。配信でも観た。それでもなお、リマスターで映像も音も刷新された今こそ、映画館で観るべきだと思った。
映像も美しかったけれど、立体音響の恩恵を余さず受けられて、これは劇場でこそ本領発揮するものだと確信。元々が劇場公開作品なので当たり前の話なのだがw、こうして再び劇場で観る機会ができたことは本当に嬉しかったな。
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』6/22発売4KリマスターBOX PV
機動戦士ガンダム逆襲のシャア 4KリマスターBOX(4K ULTRA HD Blu-ray&Blu-ray Disc 2枚組) (特装限定版)
- 発売日: 2020/10/28
- メディア: Blu-ray
機動警察パトレイバー the Movie(1989年)
- 07/18(土) ユナイテッド・シネマとしまえん【4DX】
- 07/24(金) シアタス調布【4DX】
機動警察パトレイバー the Movie | 機動警察パトレイバー公式サイト
機動警察パトレイバー the Movie - Wikipedia
『パトレイバー』の劇場1作目が劇場公開30周年を記念して4DXで公開されると聞いた時には、「そう来たか!」と膝を叩いたものだ。
何度か書いてるけど、4DXの本領が発揮されるのは、登場人物がアクション時に座っていることだと思っていて。映画館で座席に座っている自分と、スクリーンでコクピットに座る登場人物、2つの挙動が重なる瞬間が快感なのですよ。
『パト1』は、空こそ飛ばないもののwレイバー同士のアクションは十分。環境的にも海/雨/風/台風と4DXの喜ぶ要素がてんこもりなのだから、もはやサイコーの映画体験が約束されたようなもの。すげー楽しみだったし、すげー楽しかったw。
音源としては『サウンドリニューアル版』だったので一番慣れ親しんだモノとは違うんだけど、再録で5.1ch化されて『逆シャア』と同じく立体音響の恩恵を得られたので、これはこれでヨシ。どうしても違和感あるんだけどねー。
とにかく、30年前の作品とは思えないくらい4DXと親和性が高かったのですよ。短期間の特別上映してはしこたま稼げたみたいなのでw、もしかしたら隙間で特別上映があるかもしれない。うん、次の機会はありますね(確信)。
劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME
- 12/20(日) 立川シネマシティ/e studio
- 12/26(日) チネチッタ川崎
イントロ・ストーリー | 劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME
劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME - Wikipedia
コロナの影響は映画だけでなく、テレビ番組の収録にも大きな影を落とした。1年かけて紡ぎ出す大河ドラマであるニチアサも影響を免れず、『ゼロワン』も5週に渡って総集編が放送された。それもあってか終盤の展開に強引さが否めなかった。
今回の映画では、TV本編の主題でありながら物語の足を引っ張っていた感すらある、『ヒューマギア』という存在からはあえてフォーカスを逸していたのが印象的。人工知能にも「心」が生まれるというのは、もはや「前提」にできたのが大きいんだろう。
『ヒューマギア』の代わりに選ばれたのは『ナノマシンの集合体』。「AIにも心は芽生える」≒「意識はデータ化できる」ということで押し通してw、意識をデータ化して身体はナノマシンの集合体という、ほぼ無敵の魔神を生み出した。
複雑に世界観に入り込んだ『ヒューマギア』という要素が見えなくなったことで、逆に仮面ライダーとしての描写が輝きだした。それでいて「心があるならば理解しあえる」というゼロワンの本筋も残っていて、見え方がスッキリしたというかね。
物語としてもスッキリして、TV本編で欲求不満が残った部分に対して、キャラクターの絡みも戦闘も、観たかった部分をきっちり観せてくれたので、全編に渡ってストレスフリーで目一杯楽しんだ。まぁリアルタイムっぽくは無かったがw。
『仮面ライダーゼロワン』。内包したテーマを消化しきれず、コロナで流れを歪められた、不朽の名作になりそこねた作品だった。個人的には大好きだけどね。まだスピンオフで物語は続く。そこまで見届けたいな。
『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』主題歌特別映像
この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説(2019)
MOVIE | 映画 この素晴らしい世界に祝福を! 紅伝説 公式サイト
映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説 - Wikipedia
以前『劇場版 幼女戦記』の話を書いたかけど、カドカワさんの異世界モノ4作品の主要キャラが集められたパロディシリーズ『異世界かるてっと』が作られまして。幼女戦記の流れで観ていたんですがね。
その中で、どうにも面白いキャラだらけの作品が目について。それが『この素晴らしい世界に祝福を!』。知った時点でTV版が2期分終了していたので、ひとまず配信でTV版を完走。勢いで原作を読んでいる間に、映画の公開が終わってたw。
そんなこんなで完全に出遅れてハマったこともあって、映画自体も配信があったらソレでいいかなーなんて思ってたんだけども、いつになってもどこにも降りてこない。それならもういいやと円盤買っちゃって観ちゃったんですな。
すんげー面白かったけど、原作からの改変に否定的意見があることも知っていた。ただTVシリーズからも間が空いて、これが最後の映像化になるかもしれないという事を思えば、この改変は良い落とし所だったんじゃないかな。うん。
先に観ちゃったとはいえ、爆裂魔法の音と衝撃は、いつか映画館で体感せねばなるまいなと機会を伺っていたのですよ。そしたらチネチッタさんで爆音上映してくれるってんで、ホイホイされました。これを逃したら次があるかわからんかったからね。
いやー…スゴかった。ガルパン劇場版のカール自走臼砲レベルの衝撃が何度も何度も。立川でも体感してみたいけど、ちょっと望み薄だろうなぁ。
流石に残りの原作分全てはもう無理だろうけど、原作のラスト16~17巻をどうにか映像化してくれませんかね。できることなら前後編くらいで。カムヒア石油王!