18時20分という試合開始までもうすぐという時間に平塚総合公園に到着。そろそろ空き始めているといいなという淡い期待をかき消すように、スタグルはどこの店舗も長蛇の列。というかスタジアム周辺は人、人、人。
産業能率大学さんのスペシャルデーということで、6Gエリアは全て大学の買い取り(多分)で、大学生が埋め尽くしていた。中断前最後の週末ということで、磐田サポさんがビジターゴル裏を、その他のエリアを湘南サポが埋め尽くしていた。
14385人という文句無しの中断前最高観客数に加え、この日の唯一のナイトゲームであり、NHK BS1と(プロ野球が無くて暇な)ニッポン放送まで生中継。日本中のJサポの視線が、平塚のピッチに集まっていた。
スタメン
【J1リーグ第15節ホーム、ジュビロ磐田戦スタメン】
— 湘南ベルマーレ (@bellmare_staff) 2018年5月19日
GK:秋元陽太
DF:山根視来 坂圭祐 大野和成
MF:岡本拓也 齊藤未月 秋野央樹 杉岡大暉
FW:端戸仁 野田隆之介 菊地俊介
サブ:富居 表原 石原 金子 山口 鈴木 梅崎 #bellmare pic.twitter.com/Ih3Ee8vUtD
普段と違うのは、ボランチに未月が、ジョンヒョプ不在の前線には端戸とのだりゅー。注目すべきはサブのメンバーか。そこには、ステバノさんも高山も高橋諒もバイーアさんも星矢もしまむーもミキッチも天馬も、いなかった。
そこにいたのは、ルヴァン杯での躍進を支えたメンバーだった。"もう一つの顔"のリーグ戦への合流について、試合後の監督コメントで『年功序列完全撤廃』を改めて宣言した。中断明けに向けての選手間競争は、この日から始まっていた。
これでボロボロになってしまえば、なんでそういうことをしたんだと選手の中でもなるとは思いますが、僕としてはこれをやるということが大事で、結果はその次についてくると思っています。ただこれが好転するか、退転するかは正直あまり考えなかったというか、ただこれをやらなければいけないんだという気持ちでメンバーは選びました。
試合前には、選手達は円陣で気合を入れ、サポーターからはスタジアム半分を使った最大規模のコレオが出された。未来を賭けた重要な戦いが、始まった。
曹貴裁監督「やるしかないぞ!!!」 pic.twitter.com/GGTlaRbyyR
— ハルマック@5/19磐田戦 観戦予定 (@BELLMARE_12_) 2018年5月19日
コレオ! #bellmare pic.twitter.com/VI3xrWneYy
— レヴィ (@revys48) 2018年5月19日
前半
立ち上がりの湘南の出足が悪かったとは思わないが、磐田がそれを上回る勢いで攻め込んできた。面白いようにパスが回り、アクティブディフェンスがハマらない。キックオフ直後から何度となくゴールに迫られた。
序盤の猛攻で失点しなかったのは、秋元の奮闘と、"湘南乃天敵"川又が絶好機をことごとくミスってくれていたことと、回されても諦めずに食らいついていった粘り腰。ここであっさり失点していたら、また難しい展開になっていただろう。
ただ、湘南も黙って耐えていたわけではない。回数こそ少なかったが、ボールを奪えた時には一気にゴールに迫るところまでは行けていたからね。のだりゅーミドル→クロスバー→未月ヘッド枠外の流れは、決めておきたかったなぁ。
後半
気が付かなかったんだけども、後半からどうやら前線の1枚をこっそり下げてボランチ3人に変更したらしい。それによって相手のパスを寸断する機会が増え、湘南のペースに持ち込めるようになってきた。
そして後半も半分を過ぎたあたりで、その時はやってきた。それは、相手のパスミスを岡本が拾って、中央を駆け上がるところから始まった。少々足につかなかったが、それでもロストせずにゴール正面まで切り込んできた。
中央でパスを受けた梅崎、左サイドの杉岡氏へ。杉岡氏、相手を抜ききらないままタイミングだけ外して、速いグラウンダーのクロス。ニアに飛び込んだ岡本のシュートはクロスバー直撃。落ちてきた所に野田、倒れ込みながらヘッド、ゴール。
【公式】ゴール動画:野田 隆之介(湘南)71分 湘南ベルマーレvsジュビロ磐田 明治安田生命J1リーグ 第15節 2018/5/19
相手DFの出してくる足を物ともせず、ヘッドで体全体で押し込んだ泥臭いシュートもさることながら、杉岡氏のクロスが素晴らしかった。
こういう場面で速いクロスはよく狙って蹴ってくる選手だけど、相手を抜く事に時間を使わずにタイミングだけで入れてきたのが感嘆モノ。目の前に相手DFがいるのに、外からカーブかけてだからね。それに真っ先に反応する攻め残りの岡本も頑張った。
失点の直後に中村俊輔投入などで反撃してきた磐田を最後までギリギリ封じ込め、中断前ラストゲームを勝利で飾ることができた。
総評:☆☆☆☆☆☆☆☆
☆8つ。耐え忍び、修正して、押し返し、ゴールを奪い、逃げ切った。会心の勝利だったのではないか。磐田も万全の状態では無かっただろうが、湘南もジョンヒョプ不在や俊輝行方不明(?)だったりでベストメンバーではなかったからね。
そんな中で、ここまで積み重ねてきたモノで勝ちきったことは、2018年の湘南ベルマーレにとって大きな1勝になったハズだ。本当ならここから再び駆け出したいところが、リーグ次戦は当分先だ。…もったいない。
ルヴァン杯仙台戦には良い感じで入っていけるだろうし、入っていかなければね。ここでまた気ぃ抜いてつまんないパフォーマンスになったら流石に怒るぞ。心と身体を休ませるのは、仙台にリベンジしてからだ。
リーグ戦の中断明けは、7月18日(水)に平塚で鳥栖戦、その先の週末がアウェイ神戸戦。そこで本当の前半戦終了。連勝で借金無しで折り返せたらいいのだけど。
2つの顔が一つになったところから一度リセットされ、『年功序列完全撤廃』で新しい競争が始まるんだろうな。ただそれでも、この日の勝利を、仙台戦から磐田戦までの苦悩と苦闘を、中断明けまで忘れずにいてほしい。
中断中はどうしよう?
前半戦の総括だったり、選手採点だったり、書きたいネタがいくつかあったりもするので、ずっとおやすみってことはないです。当然ワールドカップにも触れるし、映画のことも書くよ?w
もちろんその前に、ルヴァン杯プレーオフ。まずはそこに全力で。そこから先は不定期更新になりますが、御了承くださいませませ。