土曜日
俺は味スタにいた。小雨が降り続いていたが、観客席全周が屋根付きで客席スカスカなので、屋根の下を選び放題。そう、バックスタンド中央最後列で、福岡の勝利を祈るためだ。自力で昇格と優勝を掴むためには、長崎と福岡の勝利が必要だった。
この時1時間早く試合が始まっていた長崎は、既に勝利濃厚の気配。あとは福岡…という所だったが、飛車角落ちのような状況で決定打に欠き、結局スコアレスドロー。試合終了の瞬間、J2初の試合が無い日の『サイレント昇格』が決定した。
その瞬間の、何とも言えない実感の無さ。いつかどこかで体感したことがある気がするなぁ…と思えば、それは極身近にあった。誕生日や元旦の日付が変わる瞬間だ。
何もしていないのに(そこに至るまでの経過はともかくね)、その瞬間を迎えてしまう、あの感じ。必ず戻ると誓ったあの場所に最短で戻れる事が決まったというのに、なかなか実感は涌かなかった。ゆくJ2、くるJ1。もういくつ寝ると開幕戦?
2013年の降格決定も、2014年の昇格決定も、2015年の残留決定も、味スタだ。何かと縁のあるスタジアムであることよ。しかもキジェ監督が福岡の視察の名目で味スタに来ていたらしい。ちくしょう、メインスタンドで観るんだった!w
湘南曹監督「選手が非常に大人になった」一問一答 https://t.co/9rQeQ6ryku ゲキサカさんの記事より細かいのね、ニッカンさん。
— レヴィ (@revys48) 2017年10月28日
日曜日
俺は平塚にいた。土曜から続く台風崩れの暴風雨は、メインスタンドのわずかな屋根などおかまいなしに吹き荒れた。それでも8780人もの観客が集まった。自力での優勝をホームで見届けるために。喜びを分かち合うために。
この日のスタメンも、今年のベストメンバー…かと思えば高橋諒の名前が。スタメンで観たかったのは確かだが、もう少し良いコンディションの時に観たかったな。あとは、サブに久々に端戸が帰ってきた。今年中にゴールが観られるといいんだが。
そう、暴風雨は平塚のスタジアムを侵食していった。久しぶりに見る水の浮く芝、ただでさえ小さい屋根からは雨漏りする始末。サッカーをするコンディションとしては最悪だ。少しでも軽いゴロのパスは、ほとんどが届かずに攻撃を途切れさせた。
それでも先制できたのは、敵陣深くでボールを奪えたから。やーまんのボール奪取からのクロスに、ドンピシャでヘッドを合わせたのはジネイ。流石の"柔のストライカー"。
後半は一転、プレーオフ圏に向けて勝利以外許されない岡山の猛攻に晒された。しかし秋元を中心に守りきってくれた。しかしこの秋元という男、信じられないことに、指を骨折したまま試合に出続けて、この日を含めて神セーブを連発していたというのだ。
帰還した湘南の守護神、“二度目のJ1昇格”に涙 「危機感しかなかった」 | Football ZONE WEB https://t.co/MfHCrbJg6o 『東京ヴェルディ戦で右手小指を骨折してしまう。「(中略)やると決めたら絶対弱音を吐かずにやろうと思っていた。」』(滝涙)
— レヴィ (@revys48) 2017年11月1日
最後には大竹の恩返しゴールを決められてしまったが、これを知ってしまったら文句を言えるはずもない。よくここまでやってくれたよ。あとはゆっくり休んで治してくれ。
そしてそのままドローでタイムアップ。これにて勝ち点81、残り3試合を残して2位長崎と勝ち点差を10に広げたことで、湘南ベルマーレのJ2優勝が決まった。
2012年は町田戦、2014年は東京V戦、どちらもアウェイだった。ホームで優勝が決まるということは、こんなにもスタジアムが歓喜に包まれるものなのか。
思えばこの日は試合前演出から盛り上げに来ていた。いつもの湘南乃風『SHOW TIME』ではなく、試合前に選手にも見せた所謂『モチベーションビデオ』をビジョンに流したのだ。こんなん泣くに決まってる。幸いにも雨にまぎれてくれたけども。
涙腺崩壊してしまう試合前煽り動画 20171029 湘南ベルマーレvsファジアーノ岡山
試合後はもう歓喜、歓喜、歓喜の渦。勝利のダンスのあとは地ビールでのビールかけとか、もったいないことまでやっていた。芝が痛むから、専スタじゃできない盛り上がりだったりもするんだねw。これが"最後の"J2での歓喜になるといいんだけど。
それにしても、だよ。3年ぶりのJ2優勝なんだけども、J2に参戦したのも3年ぶりなわけで、湘南からすれば『2回連続のJ2優勝』なんだよね。冷静に考えてみたら、コレはとんでもない偉業ですよ。信じられないほどの。
魔境とまで言われるリーグで、選手の大半が入れ替わりながらも、スタイルを深化させての優勝。一年間の回顧はまた別の機会にやるけれど、キジェ監督の手腕と、それに応えた選手達の成長の証だよね。よくやってくれましたよホントに。
でも、まだ全てが終わったわけではない。まだ3試合残っている。いや、監督の言葉を借りるなら、チームが成長できる機会はあと3試合しかない。成すべき事は狙っていかないとね。ホームで0-3で負けた福岡へのリベンジも、その一つだ。
本当ならもっとシビれるシチュエーションになる予定だったんだけど、福岡が予想外の失速で、名古屋にも得失点差でまくられて4位まで後退。もちろん福岡サイドからすれば、自動昇格枠のためには絶対に負けられない試合なのだが。
3試合連続で雨模様だっただけに、福岡戦は曇天でもいいから雨だけは降らないで欲しいものだ。多少なりとも入れ替えてくるであろうスタメンを楽しみにしつつ、福岡まで行ってきます。久しぶりに博多のラーメンを堪能してくるばい!