湘#48 れび@湘南サポBLOG Ver.2

スポーツナビ+(ブログ)サービス終了に伴い、引っ越してきました。湘南ベルマーレを応援していきます。

【J2・第25節_vs徳島(H)】 『嬉しさ/歯痒さ』○2-0

「よーし、やりゃあできんじゃないの」と褒めたい気持ちと、「何回自分たちのサッカーを忘れて思い出してを繰り返したら気が済むんだ」と嘆きたい気持ち。相反する想い、我にあり。

もちろん内容と結果だけを見れば褒め称えるところだけど、ほぼ同じ流れを前半の讃岐戦~岡山戦でやってるからね。そこで一度原点に立ち返って再出発したはずなんだ。それをまた、砂浜を皆で走りこまないと自分たちのストロングに立ち返れないって何なのよってね。

3バックスタートのスタメンは、中盤より後ろはいつも通り。ワントップのジネイも変わらず。シャドーの二人が表原と未月。スピードとボール奪取力に長けるであろう二人の起用、チームからサポーターへのメッセージは明確だ。『前から全力で追いかけて、狩りに行くぞ。』

キックオフから、ジネイを含め前線からのアクティブディフェンス。ボールポゼッションから早い展開を特徴とするはずの徳島が、ボールを回し切れずにロングボールを蹴り出す。それがカウンターになってピンチを招くこともあったが、徳島にいつものサッカーをさせない。

DAZN中継の中で、監督の言葉として「今までどこもやったことがない形で徳島に挑む」というような意味のコメントを紹介していた。特化した狙いどころはあるのだろうが、湘南スタイルを突き詰めるという事は「相手の嫌がることをやる」ということに直結するのだ。

前線からのプレッシャーの効果で、無理矢理こじ開けなくてもスペースが生まれてくれる。そこから積極的に縦に早い攻撃が生まれて、押し下げたサイドを駆け上がる。湘南スタイルの好循環サイクルが回りだすと、スタジアムの雰囲気も自然と盛り上がっていく。

得点こそ無かったが、前半終了時には『今日はイケる』という手応えはあった。この流れを維持できればゴールも遠くないと思えた。そして先制点の場面は後半開始早々に訪れた。

左サイドからドリブルで斬り込む表原。DFに弾かれたシュートのこぼれ球を杉岡氏が回収、退いた表原にバックパス。誰も詰めてこない中、余裕をもって狙いを定めて表原のクロス。未月が

優しく落とすと、そこにはジネイ。落ち着いてゴールに流し込んで、先制。

徳島守備陣がゴール前で未月がボールを落とすのを黙って見てたように見えたのは、岡本がスクリーンになって妨害してたからだったのね。隠れたファインプレー、お見事でした。

この先制ゴールの直後の大ピンチを、雨に濡れたピッチとゴールマウスに救われた。浮かれ気分が一気に消し飛んだおかげで、攻勢を弱めぬまま試合を続けることができたのは大きかった。衰えなかった勢いと運動量が、追加点をもたらすことになる。時間にして後半21分。

相手の攻撃を自陣深くで受け止めてカウンター。表原が自陣から長い距離をドリブル。フォローにやーまん、右サイドをジネイが追いかける。表原、PA前で上がってきたジネイへパス。しばらくDFを引きつけてから、自らを追い越した秋野にスルーパス。秋野がゴールに流し込んだ。

ジネイにボールが渡ったところでシュート打てよーとか思ったけどw、誰かが追い越してくる確信があってのディレイだったんだよね。徳島DF3人を見事に釣って、追い越す秋野にドフリーでシュートを打つ時間をもたらした。これぞ湘南スタイルというゴールだった。

それにしてもこの日の表原は良かったねぇ。ゴールこそ生まれなかったけど、攻守に渡ってその運動量を見せつけた。自分をスタメンで使うことの意味を理解して、自らの任務を完遂してみせた。使われ方次第だろうけれど、次のチャンスは必ずあるだろう。頑張れよう。

2点獲った時点で守りに入る…なんてことは無かったし、その必要も無かった。若干重心を後ろに下げながらも、前への推進力は最後まで失われなかった。そしてそのまま試合終了。難しい相手になるだろうと思われた徳島を、真っ向から押さえ込んでの見事な勝利だった。

勝利の嬉しさはもちろんある。繰り返しになるけれど、どうしても「何で山形でコレができなかったのか」という歯痒さが消えない。今だからこそ許される、というか今から潰しておかなければいけない”甘さ”。敵は我が身の内にあり。獅子身中の虫だ。

最初から全力で臨めば上位対決でもこれだけの試合ができるという手応えを、どうか忘れてくれるなよ。これからが勝負の夏本番、気を抜けばあっという間に後続の集団に飲み込まれるぞ。

次節はホームで松本山雅戦。一時期勝ち点が伸びなかったけど、流石のソリさんの修正力というべきか、ここ5戦で4勝。しかしアウェイで3連敗中という内弁慶っぷり。目の前のプレーオフ圏内を目指して烈火の気合で乗り込んでくるだろう。

自らの手で断ち切った流れを再び引き寄せるためにも、勝ちたい。せっかく開いた3位以下との差を縮めさせるわけにはいかない。対戦相手との、福岡との、我慢比べ。アウェイで競り勝ったことはひとまず忘れて、今回の徳島戦を最低基準と言えるような内容を期待したい。