試合前から、情報が飛び交っていた。ある選手が日本国内を移動中だという。いやいや電車の中の様子だけじゃどこに向かっているやら。すると平塚で見た、メインスタンドにいたと、画像が出回って。これはいよいよホンモノかとウロウロしてみると。
イタ─wヘ√レv~(゚∀゚)─wヘ√レv~─!! #bellmare pic.twitter.com/NQ7PddIRYu
— レヴィ (@revys48) 2019年7月14日
というわけで、数日前から噂になっていたクリスランが平塚参上。…なぁんて言いつつ実は顔を把握してなくてw。その場でググって色んな画像とホンモノを見比べて。それでも自信無くて、上のツイートでは選手名を入れてないチキンっぷりw。
清水在籍中に靭帯断裂で戦列を離れ、そのままレンタル満了。これまではずっとリハビリに励んでいたらしい。実践リハビリ兼ねての再来日という側面もあるかな?
そして、彼の来訪に燃えていた選手がいた。いや多分だけどもw、そう言われても納得するほどに、この日躍動していたチームの中でも一際輝いていた男が一人。昨年清水でクリスランと共にプレーしていた盟友、フレイレである。
スタメン
【J1リーグ第19節 ヴィッセル神戸戦スタメン】
— 湘南ベルマーレ (@bellmare_staff) 2019年7月14日
GK:秋元陽太
DF:山根視来 フレイレ 大野和成
MF:古林将太 齊藤未月 金子大毅 杉岡大暉
FW:武富孝介 山﨑凌吾 梅崎司
サブ:松原 小野田 秋野 松田 鈴木冬 中川 野田 #bellmare pic.twitter.com/lXTbSMQwv4
前節の良いイメージを塗り替えるほどのアピールは無かったか、スタメンは名古屋戦と全く同じ。前節の内容と結果がフロックでないことを証明するためにも、同じスタメンで戦うのは個人的には楽しみだった。
天馬は内心悔しさで破裂しそうなほどだろう。前半戦の中盤を未月と共に支えてきたのは自分だという自負はあるだろうから。2戦連続スタメン落ちで、かつチームは内容と結果を伴った勝利。喜んでばかりもいられないよなぁ。奮い立て!
試合
キックオフからハメ倒すべくプレッシングに向かう湘南。対する神戸は、監督交代で以前から少々色合いが変わっていた。ポゼッションというよりも『戦術:イニエスタ』をより明確に前面に押し出してきていた。
ポジションを下がり目に取り、隙あらばイニエスタから長短織り交ぜた正確無比なパスで状況を変えていく。ただ、パスをつないで攻め上がってこない分だけ、厚みのある攻撃にはならなかったのは、有難かった。
湘南は攻撃を止めさえすれば、空いたスペースを使ってカウンターを仕掛けられた。セカンドボールも積極的に回収して、前節の勢いのまま攻撃に転じていく。しかし、試合が動いたのは前半20分、湘南の波状攻撃が実らなかった直後だった。
ゴールキックからイニエスタへのパス。追った未月をヒラリと躱して前線へふわりとしたロングキック。しかしコレがドンピシャで裏抜けする神戸古橋の足元に通る。
大野が慌ててコースを切りに行くも、わずかに余裕を与えすぎたか、左足で思い切りよくシュート。秋元の正面だったけれど、頭上をブチ抜かれる豪快な先制点。DFも戻れていたし、あと一歩寄せられていたら…。
【GOAL】古橋 亨梧(20')|2019明治安田生命J1リーグ 第19節「湘南vs神戸」
ここからしばらく、神戸が攻勢に出てくる。28分には再びイニエスタからのエンジェルパスを、古橋がボレーシュート。これがポストに弾かれてビジャの足元に跳ねるも、QBKすぎたか押し込めずに追加点ならず。
ただ湘南も黙って耐えていたわけではない。前半終了時点のDAZN集計で、シュート本数は湘南:神戸で14:5、枠内だけでも7:3と、厚い攻撃ができていた。先に試合を動かせれば…という確信めいた予感はあった。
「同じことをやれ」と送り出された湘南は、後半も同じように神戸を押し込んでいく。それが実って大逆転劇が生まれるんだけど、そこまでに返す刀の反撃も喰らっていた。どこかで追加点を奪われていたら、結果は違っていたに違いない。
ビジャからのショートカウンターでウェリが最後のシュートを枠を外してくれたり、強烈な直接FKがクロスバーを叩いてノーゴールだったり。試合を通じて、決定的なチャンス自体は神戸の方が多かった。薄氷だったと言ってもいいだろう。
それでは圧巻の9分間いっくよー!w まずは69分。右サイドギリギリでパスを受けたコバショー、山根との大きなワンツーで一気に抜け出して奥深くまで侵入、GKとDFの間に素早いパスを通し、フリーだった山﨑が簡単に合わせて同点!
【公式】ゴール動画:山﨑 凌吾(湘南)69分 湘南ベルマーレvsヴィッセル神戸 明治安田生命J1リーグ 第19節 2019/7/14
この日のコバショーはコレがラストプレーだったが、抜ききらないまま放り込む正確なクロスを何度も見せてくれた。これが出てくればコバショーは100%。
そして5分後の74分。右サイドの遅攻から、そのコバショーに変わって入った冬一のサイドチェンジ。相手DFのクリアミスを回収した杉岡氏が躊躇なく利き足でない右足を振り抜くと、DFを越えてゴール右サイドネットに吸い込まれた。
【公式】ゴール動画:杉岡 大暉(湘南)74分 湘南ベルマーレvsヴィッセル神戸 明治安田生命J1リーグ 第19節 2019/7/14
最後は78分。ウメさんが引っ張り倒されて得た、左サイドからのFK。そのウメさんの右足から放たれた放物線に、ゴール前で待ち構えていたフレイレがヘッドできっちり合わせ、ダメ押しの勝ち越し点を奪ってみせた。
この日、神戸の強力な攻撃陣を跳ね返しつつ、チャンスには積極的に攻め上がって出場選手中最多の5本のシュートを放ったフレイレ。ゴール後にスタンドに指をさして敬礼してみせた視線の先にいたのは、家族か友人か、それとも盟友クリスランだったか。
【公式】ゴール動画:フレイレ(湘南)78分 湘南ベルマーレvsヴィッセル神戸 明治安田生命J1リーグ 第19節 2019/7/14
総評:☆☆☆☆☆☆☆☆☆
前節の流れのまま更に加速、スタイル全開で最後まで電車道一直線。先制点こそ奪われたが、DAZN集計でシュート23本枠内13本(公式スタッツではシュート18本)と攻め立てての逆転勝利。リーグ戦での平塚での勝利は3月の仙台戦以来。
攻撃はもちろん褒めたいが、危険な場面はありつつもしのぎきった守備も讃えたい。未月はやっぱり物怖じせずにこの試合でもイニエスタやビジャにぶつかっていき、試合終盤ではイラついたビジャに小突き回されていたほどだw。
アウェイでは1-4、ホームで3-1。追いつけはしなかったが、得失点-1まで押し戻せたのは僥倖。5連敗のあとの連勝で順位は一気に浮上…できちゃったのは大混戦だからこそ。まずは目の前の試合に全力で臨むことから始めよう。
次の試合は
土曜日にアウェイで札幌戦。前半戦の試合は忘れもしない開幕戦。最初の試合で複数得点で完封勝利できたのは、本当に大きかったね。
スタジアムは札幌ドームではなく、札幌厚別公園競技場。20000人弱のキャパなれど、屋根ほぼ無し、照明も無し。なるほど、昼開催なわけだ。この時期でギリギリ、今を逃せば秋まで開催できなかっただろうな。暑くて。
リーグ戦ではここ3戦勝利無しで、現在8位。湘南とは勝ち点5差。一気に追いつくことはできないが、ここでもうひと踏ん張りして中段グループのトップ争いに再び顔を出したい。何より、この勢いを簡単には止めたくないね。
そして、再会。
SCブラガよりクリスラン選手が期限付き移籍により加入することとなりました‼️
— 湘南ベルマーレ (@bellmare_staff) 2019年7月17日
仙台や清水でも活躍したストライカーです⚽️
「歴史あるベルマーレの選手として、誇りを持って精一杯頑張ります」とコメント。ぜひご期待を✨
クリスラン選手、ようこそベルマーレへ🙌
▶️https://t.co/C00Fl06uQM#bellmare pic.twitter.com/o3roKt9Rjt
ここまでお膳立てがあって、この試合後はフレイレと焼肉食いに行ったりしてたのに、加入が流れたらどうしようと思っていたがw、ようやく正式発表。その裏で国友が鳥取に修行に出されたりしてるけども。
半年早く湘南に加入しているフレイレとの再会は、スタイル習得への大きな財産になるだろう。膝は完治したとはいえ、身体のキレを戻すにはシーズン終盤までかかるかもしれないね。勝負どころで結果を出してくれることを期待したいな。