湘#48 れび@湘南サポBLOG Ver.2

スポーツナビ+(ブログ)サービス終了に伴い、引っ越してきました。湘南ベルマーレを応援していきます。

【W杯2018】日本対ベルギー【ベスト16戦】 ×2-3

南アフリカ大会を思わせる本田の遠目からのFKが、鋭く曲がり落ちてゴール左隅を襲う。ベルギーGKがあらかじめそちら側にわずかに寄っていたから弾き出してCKに逃れられたが、そうでなければ決まっていたコースだった。

時は既に後半ロスタイム、スコアは2-2。このまま時間を稼いで延長に突入するか、あくまで90分の決着を狙うか。日本は後者を選択するが、時間的に最後の攻撃になる可能性が高いにもかかわらず、アッサリと蹴り込んでくる本田。

香川も寄っていたし、ショートコーナーから時間を使って主導権を握ったままゴールを狙うのかと思ったので、驚いたのは事実。もしかしたら、こういう状況のために練習を重ねてきたサインプレー/トリックプレーがあったのかもしれないが。

しかし本田のCKは、ミスキックなのか何も起こらず直接GKがすんなりキャッチ。この時コーナー付近含めて、ゴール周辺に日本の選手7人が攻め上がっていた。そしてここから、ベルギーの怒涛のカウンターが始まる。

GKからのスローイングを受けたデブルイネが全力ドリブル、あっという間に3対5の状況に。ルカクが中央に流れたことで長友が釣られ、無人の左サイドを駆け上がってきたムニエがドフリーでパスを受けたところは、既にPA手前。

ムニエのシュートコースを切る長友、ルカクにマークにつく長谷部。ムニエがゴール前に流しこんだパスを、ルカクは華麗にスルー。逆サイドから駆け上がってきていたシャドリには、背後から全速力で昌子が追いかけてきていたが…。
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「僕のところからは全部見える。デブルイネ選手が右に出して、ムニエが中に入れた。そこで頼む、ルカク、スルーせんといてくれっていう。ずっと思っていた。走りながら。全速力で戻っているはずなのに、色んな思いが出てきて…。ルカク選手にスルーされた時に、何かこう肉離れしてでも、骨が折れてでも、何でもいいからとにかく間に合ってくれって」
「めちゃくちゃスローモーションに見えて。何を犠牲にしてでも、頼むから届いてくれ。そう思ったことは今までなかった。あれだけ必死に走っているのに、気持ちでは頼む、ルカクがそのままシュート打ってくれって思いが浮かんでくる。ハセさん(長谷部)にも声が届かない。無抵抗。こんだけ頑張ってるのに何もできない自分。腹立った。本当に自分の目の前で決められたから」


Nacer CHADLI Goal – Belgium v Japan – MATCH 54

早すぎた2点先制

ここまで大きな怪我をした選手もなく、スタメンをコロンビア戦/セネガル戦の時のスタメンに戻してきた日本。もちろんコレがやりたくてポーランド戦で6人変えて休ませていたわけで、日本の現状のベストメンバー。

前半は、行ける時には攻勢に出るも、ミスからボールを奪われて返す刀で攻め込まれる事が多かった。それでも複数人で対応してピンチを未然に防ぐことはできていて、体格と最高速度に勝るベルギーの対策は上手くいっているように見えた。

押し込まれてヒヤリとする場面はあれども、何とかスコアレスで終えた前半。ここまでは予定通り/予想通りの展開だったろう。あと勝負の後半、どうやって先にゴールを奪うかだったが…、その時は思いのほか早く訪れた。

後半3分に柴崎からの3バック裏へのフィードを受けた原口のシュートが、後半7分には乾の無回転ミドルが、ベルギーゴールに突き刺さった。

あっという間に2点リードという望外の展開。「思いのほか早く訪れた」と書いたが、これが後半も半分を過ぎた時間帯ならまだしも、贅沢な話だが「早すぎた」。ここから日本は『2-0は危険なスコア』という言葉の意味を改めて知ることになる。

 ラスト20分の悪夢

正直に言えば「勝ったな」と思っちゃったよね。2点取られてしまうとしても、その間にもう1点取って突き放して…なんてね。先制後もしばらくは何とか守備も対応できていたし、そんなに大崩れはしないんじゃないかとね。

ベルギーが先に2枚替えの選手交代してきて、さぁここからベルギーもギアを上げてくるぞという後半24分。ゴール前にヘッドで折り返されたボールが、やたら高い放物線を描いてゴールマウスに吸い込まれた。これで1点差。

なんてことのないボールに見えたし、落下地点さえ予測できていれば弾きだすのは容易だろうと思えた。『見切りの達人』秋元だったら失点は無かった…というのは身内贔屓すぎるだろうか。何にしても、あっけない失点で流れが変わった。

そしてその5分後、クロスに対して勢いと体格差で競り負けて、ヘッドで合わされて同点に。長谷部とマーヤが見事に弾き飛ばされてのゴールで、ここまでは未然に防げていた"フィジカルの差"が最大限に活かされてしまった。

この時点で延長戦も見据えてか、疲労が見えてきたピッチ上に対して選手交代が遅れる日本。後半36分にようやく本田と山口を投入。そして後半ロスタイムへ…。


Belgium v Japan - 2018 FIFA World Cup Russia™ - Match 54

最後のコーナーキック

ベルギーvs日本の試合結果・データ(ワールドカップ:2018年7月3日):Jリーグ.jp

──延長は考えなかったか。90分で決めるという気持ちだったのか? 

あの時間でFKとCKの流れはあったので、少なくとも決めたい気持ちはあったし、延長ももちろんその時点で考えていました。まったく、ああいうスーパーカウンターを受けるとは予測もできなかったし、セットした選手たちもああいう流れで数秒後に自陣にボールが運ばれるとは予測できなかったでしょうし、本当にそれが紙一重の勝負どころだと思いますけれど、もちろん持久的にはボールも伴って動ける延長は想像できたので、決められなくても延長勝負という感じは持ってはいました。

延長を見据えながらも、あそこで決めきるつもりだったらしい。まぁそれは良し。今年の躍進は、及び腰にならずに攻めの姿勢を貫いたからこそだしね。

ただ、あんなにも簡単にGKにキャッチさせてはいけなかった。負けていたわけでもないのに、あんなにも大人数でゴール前に詰めている必要も無かった。

そこに何かとっておきの秘策があったのだとしても、失敗して相手にボールを渡してしまえばピンチを招く可能性はゼロではないのだから、時間を稼ぎつつラストチャンスに賭けるべきだったんだ。

ショートコーナーから一度ボールを下げて、攻撃をやりなおしてもよかっただろう。最後に決定機を作って、シュートで終わって決勝ゴールor後半終了という形にできれば、それが一番望ましかった。

それこそポーランド戦での"石にかじりついてでも"というシビアに現実を見据える視点があったなら、もっと違う選択肢も見えたはずだ。

何故そこでリスク回避の考えにならなかったのか。何故そこで無邪気に浪漫に浸ってしまったのか。誰もカウンターを予測できなかったというなら、その"現実逃避"こそが日本代表の敗因だと思う。

超絶カウンター

それにしても、最後のカウンターは美しかったねぇ。最後はルカクがシュート打ってもゴールできただろうに、スルーしてドフリーのシャドリに託すって…。あれだけ完璧に仕上げられたら、3人だけじゃどうにもできないわ。

自分もだけど、2014年の横浜FC戦の4点目を思い出した人もいるかもしれないね。ウェリがスルーしてユーヤが決めてたら、更に似ていたかもしれないw。


2014/11/17 湘南ベルマーレ怒濤のランからの四点目ゴール 対横浜FC

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