この日のMVPはコーナーのキッカー担当で2得点に絡み、スーパーゴールのダメ押し弾を決め、試合全体を観ても良い仕事をしていた天馬なのは間違いない。ただ、試合の流れを引き寄せたワンプレーを選ぶなら、ウメさんのヘッドだったろう。
天馬のコーナーを杉岡氏が頭で合わせたが、左に逸れようとしていた。そこにファーでこぼれ球を待っていたウメさんが瞬時に反応、相手DFに先んじてヘッド。ポストに弾かれてゴールこそならなかったが、フレイレの恩返し弾を呼び込んだ。
あそこで少しでも立ち位置が悪かったり反応が遅れていたら、勝ち越しゴールは無かった場面。ウメさんの嗅覚と駆け引きが、清水へ試合の流れを渡さぬまま、風上の後半へと湘南を導いた。これはとてつもなく大きかったと思うんだ。
【公式】ゴール動画:フレイレ(湘南)45+1分 清水エスパルスvs湘南ベルマーレ 明治安田生命J1リーグ 第5節 2019/3/31
スタメン
【J1リーグ第5節 清水エスパルス戦スタメン】
— 湘南ベルマーレ (@bellmare_staff) 2019年3月31日
GK:秋元陽太
DF:山根視来 フレイレ 小野田将人
MF:鈴木冬一 松田天馬 菊地俊介 杉岡大暉
FW:武富孝介 山﨑凌吾 梅崎司
サブ:富居 古林 中川 柴田 新井 大橋 指宿 #bellmare pic.twitter.com/G2MlXlgxlR
代表ウイークの2週間で何とか…と思っていたが、武富は帰ってきたが坂・大野・岡本はサブにも戻って来れなかった。代表から負傷で離脱した未月も不在。結局、二週間前の仙台戦から未月→武富、ボランチに未月に代わりシュンスケという形に。
怪我人続出でスタメンの流動性が無くなってきてしまったのは少々気がかりだが、その間にチャンスを得た小野田さんと冬一が、グイグイと目覚ましい成長を見せてくれているのは頼もしい。とても良い形でチームの底上げが進んでいると感じる。
試合
未勝利で迎えたホームゲームで何としても勝ちたかった、清水。キックオフから、清水の気合が伝わってくる攻撃が、何度となく湘南ゴールに迫った。
湘南もプレスで食らいつこうとするが、相手の出足とパス回しが2歩ほど早かった。後手に回って押し込まれ、長いこと我慢を強いられる展開が続いた。転機が訪れたのは20分を過ぎたあたりの一発のカウンターで得た、コーナーキックだった。
天馬は、ボールを絶妙なスピードで密集地から離れていく方向に転がした。密集地から離れ、ニア方向にボールを受けに行くフレイレ。DF2人がフレイレに釣られると同時に、密集がほぐれてシュートコースがわずかに空いた。
フレイレがスルーしたボールをシュンスケがシュート。GK前にいた武富がコースを逸そうと足を伸ばすが触れず。しかしGKはその動きに惑わされて、シュートコースを完全に防ぎきれなかった。
【公式】ゴール動画:菊地 俊介(湘南)23分 清水エスパルスvs湘南ベルマーレ 明治安田生命J1リーグ 第5節 2019/3/31
あれだけ押し込んでいたのに先制を許したことに清水が動揺したか、劣勢の中で準備してきたサインプレー一発で先制できたことで湘南の固さがほどけたか。何にしてもこのゴールから、試合の流れは五分に押し戻された。
このまま前半を終えたいなぁなんて色気が出始めた44分、遠目から打っとけって感じの鄭大世の強烈なミドルシュートがシュンスケに当たってDFライン裏にこぼれ、それをフリーで叩き込まれてしまう。
アンラッキーな形で奪われた同点ゴール、俄然息を吹き返すホームのスタジアム。このまま後半に入ったら清水を加速させかねないところで、ロスタイムに相手のクリアミスから得たコーナー、からの勝ち越しゴール。
失点してから短時間だったこと。前半終了間際だったこと。相手の清水から移籍してきたフレイレの恩返し弾になったこと。全てが清水の勢いを止めるには十分だった。
後半、風下で耐えていた鬱憤を晴らすかのように、湘南の攻撃が一気に加速した。流れを変えるべく清水は出遅れていたドウグラスを投入するが、怖さは健在なれど本調子でなさそうで押し返せない。
そして70分。左サイド奥からのスローインを受けた天馬、マークにつくDFをターン一発でかわしてゴールを視認。「あ、これシュート打てる」と思う間もなく、思い切りよく振り抜かれる右足。シュートはゴール右サイドに豪快に突き刺さった。
【公式】ゴール動画:松田 天馬(湘南)70分 清水エスパルスvs湘南ベルマーレ 明治安田生命J1リーグ 第5節 2019/3/31
カンペキすぎて泣けてくるスーパーミドルは、事実上試合を決定づける一発になった。 そのまま押し気味に試合を進めて、逃げ切り…というか、寄り切ったw。
総評:☆☆☆☆☆☆☆☆☆
連勝を決めて再び加速するためにも、去年試合後にアレコレあったこの地できっちりやり返したかった試合。そんなシチュエーションで、ほぼカンペキな試合運びで勝ちきってみせた。その喜びは、去年の試合後の主役の笑顔に表れていたw。
勝利!!
— 梅崎 司 (@onima_7) 2019年3月31日
すげー嬉しかった!
一年前に負けたスタジアム。陽太と言い争った場所。
あれから一年、チームとして大きく成長できたのを証明できたと思う。
もっと成長したい。
このチームと。個人としても。
陽太と気持ちは一緒だ。
もっと高みに行こう。 pic.twitter.com/jGvNQW0m5a
開幕戦勝利のあと連敗、からの連勝。5戦3勝でグイッと5位浮上。まだまだ序盤戦とはいえ、これは勇気を与えてくれる結果だ。このまま上位を伺う戦いができたらいいんだけど、それには怪我人の復帰が不可欠。ライザップさん、頼むよ!
次の試合は
ホーム平塚で磐田を迎撃ですな。清水と共に5戦未勝利、勢いに乗れずにいる相手だ。期せずして静岡勢との連戦だが、わざわざ寝た子を起こすこともない。久しぶりのホームでの試合、桜満開の平塚で粛々と勝ち点を積み重ねたいところ。
磐田はここ5戦で3ゴールのみ。最低でもスコアレスで試合を動かしていければ、間違いなく焦れてくる。ミスから失点につながるような、相手の背を押すような展開だけは避けたいところ。まずは集中して『攻撃的守備』で跳ね返していきたい。
明治安田生命J1リーグ 順位表:Jリーグ.jp https://t.co/KxuVcWs8CI #Jリーグ 記念撮影的な。ここまで他の成績は観てこなかったけど、名古屋の5試合13得点3失点はヤバいな…。ここ数年はズッ友だったのに、一気に覚醒してしまったな。 pic.twitter.com/lUqLijkxES
— レヴィ (@revys48) 2019年3月31日