アディショナルタイムは６分。谷のゴッドセーブもあり、猛攻を跳ね返し続けていた。既に手元のスマホのストップウォッチ機能では６分を過ぎていたが、プレーが途切れてくれない。湘南ゴール前の混戦で、ほぼ正面でＦＫを与えてしまう。
時間をかけて準備する神戸、キッカーはイニエスタ。放たれたボールは壁の端のタリクをかすめ、走り込んだ武藤が身体に当ててコースを変え、谷の腕をすりぬけてゴールに吸い込まれた。崩れ落ちる湘南の選手。悪夢の同点…かと思われた。
マジか…と呆然とへたりこんでいたら、谷が猛然と主審へダッシュして、何やら話しかけている。ん？ もしかして…ひょっとする？ ほどなくＶＡＲチェックが始まり…武藤のハンドでゴールが取り消されて、試合終了。
歓喜に湧く湘南の選手達。主審に詰め寄って抗議する神戸の選手達と、それを静止するロティーナさん。なかなか見られない、異様な光景の幕切れとなった。
スタメン
明治安田生命J1リーグ第14節
— 湘南ベルマーレ (@bellmare_staff) 2022年5月21日
🆚 #ヴィッセル神戸 ⏰15:00KO
スタメン発表🔥
GK #谷晃生
DF #山本脩斗 #大岩一貴 #杉岡大暉
MF #畑大雅 #茨田陽生 #田中聡 #山田直輝 #石原広教
FW #瀬川祐輔 #町野修斗
SUB 立川 舘 米本 池田 ウェリントン タリク 大橋#bellmare #ベルマーレ pic.twitter.com/88TwM0fJfP
ル杯ＧＳ突破しての連戦だが、休養十分なのは茨田のみで、他のスタメンはそのままスライド。流れの良い時はスタメンをいじるなというのはプロ野球でよく言われることではあるが、疲労を加味しても良い感触が色濃く残るメンバーを選択。
ただしポジションは少々変更。負傷交代していた大野に代わり大岩がＣＢセンターに、杉岡が左ＣＢに。そして畑と広教がワイドの左右を入れ替わった。コメントによれば、アタリマエだけど明確な意図があった模様。湘南公式からは省かれてるけど。
ここではいろいろ言えないですけど、相手のこともありますし、自分たちの関係性もあります。相手を考えるといろいろ対策はありますけど、誰がどこをやってもいいように、求めているものは明確にあります。今日に関しては、相手のこともあります。
【公式】湘南vs神戸の試合結果・データ（明治安田生命Ｊ１リーグ：2022年5月21日）：Ｊリーグ.jp
総評：☆☆☆☆☆☆☆☆
キックオフから前から食いついていくのではなく、ハーフウェイラインでブロックを形成して中盤のパス回しを潰していく。どちらもシュートが遠かったが、ワンチャンスを活かして前半のうちに先制できた。時間にして４０分。
ここ数試合で顕著だった通りに積極的に狙っていったおスギのシュートを瀬川がわずかにコースを変えたが、ＧＫが何とか触ってこぼれたところを詰めたのが町野。やっぱりシュートしていけば何かが起きるってことなんですな。
次の得点が大事だぞと思ったが、５１分という思いのほか早い時間帯でソレはやってきた。試合を通して先手を取り続けられたのが、とても大きかった。
相手ＤＦへのバックパスが少々逸れて、ＧＫへのパスと思ったか半端な位置にこぼれた形になった。そこを湘南のＦＷらしく虎視眈々で狙っていた町野が奪取、間一髪でＧＫもかわしてゴールに流し込んでくれた。
今季初のリーグ戦複数得点で意気上がるスタジアムだったが、そんな簡単に試合は進まない。２失点でようやく火がついた神戸の攻撃の圧力が上がり、ＣＫから１点差に詰め寄られると、防戦の時間帯が増えていった。そしてアディショナルタイム…っと。
１７位と１８位の対戦というだけあるなぁというか、怪我人が多くて大変だなぁというか、神戸さんの攻撃が２点リードまで迫力あるものにならなかったのは幸いだった。パス回しは寸断できていたし、裏に蹴り込まれても対応できていたし。
イニエスタが積極的に前プレに出てきたり、サイドに動いてボールを引き出したり、見事な献身っぷりを見せていた。実際イニエスタが効果的に絡んだ場面はゴールに迫られていたけど、その分対応も易しかったという面もあったかもしれない。
しっかし、こう言っちゃ何だけど、もうちょっと普通に（笑）勝てないものかねｗ。初勝利が血みどろダイビングヘッドで、２勝目がラストプレー同点弾のＶＡＲ取り消しときたもんだ。何はともあれホーム初勝利、めでたいっ！ヽ(=´▽`=)ﾉ
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次の試合は
裏天王山の次は首位との対戦、水曜日にアウェイで川崎戦ですよ。首位なのだから調子が悪いわけがない。前節鳥栖戦こそ退場者が出てドローに終わったが、ここまで９勝３分２敗、直近６戦で４勝２分。堂々たるモノですな。
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湘南は神戸戦の勝利で勝ち点１０。勝ち点４０（目標５位？知らない子ですね…）に到達するには、残り２０試合で勝ち点３０を積まなければいけない。ここまで２勝４分のクラブが１勝１敗ペースで行けるのか…と言われると、少々困ってしまう。
劇的に流れを好転させるには、神奈川ダービーで首位を喰って公式戦３連勝…ってくらいのイベントが欲しい。川崎を踏み台に、中位争いに参戦したいところだ。
