1点リードしたまま突入した後半アディショナルタイムも、残り1分ほど。東京はゴール前にボールを放り込んでくる。湘南、簡単にヘッドでクリア。攻め上がる東京、下げられた湘南のDFラインの、空白地帯にボールが跳ねる。
スタジアムの空気がわずかに弛緩したその刹那、ボールめがけて走り込む影一つ。影とボールが重なる瞬間、スタンドからでも一筋のシュートコースが拓けるのが見えた。その影、ダイレクトに、かつ落ち着いてボレーシュート。
シュートはGKから逃げながら、その唯一のコースを通って枠に飛んでいく。ボールはGK富居の指先をかすめてポストを叩き、ゴールに吸い込まれた…。
【森重真人(FC東京)|終了間際の劇的ゴラッソ】初優勝へ望みを繋ぐスーパーミドル|2019.11.23 明治安田生命Jリーグ第32節 湘南戦
試合前
当日は雨だったんだけど、上層メインの指定席だし濡れなかろうフフフ…なんて思っていたら、なんとチケットを忘れましてねorz。スタグル食うのに財布からお金を出す時になって初めて気がつくという大惨事。
取りに帰ることも出来なくはなかったが、流石に面倒で当日券を買うことに。そしたら券売所で待ち構えていたベルサポさんに、ゴール裏を2000円で譲ってもらえた。つまり当日は8200円超のチケ代だったのだ。ダイナミックプライシング!(違)
そんな調子だったのでポンチョも持参していなく、ゴール裏下層で雨に降られると容赦なくズブ濡れになるので、初めて上層階へ。せっかくなので最上段に陣取ってみた。
いやー見晴らし良いw。下層階よりも全体見渡せるし、割り切ってしまえば悪くないかもしれぬ。しかしこの位置、悪夢の同点ゴールの軌道がよおおおおく見える角度。その瞬間ね、ボールがスローモーションのようにね…ううっ(´;ω;`)。
スタメン
【J1リーグ第32節 FC東京戦スタメン】
— 湘南ベルマーレ (@bellmare_staff) 2019年11月23日
GK:富居大樹
DF:岡本拓也 坂圭祐 山根視来
MF:古林将太 齊藤未月 金子大毅 鈴木冬一
FW:松田天馬 山﨑凌吾 山田直輝
サブ:秋元 フレイレ 舘 大野 梅崎 野田 指宿 #bellmare pic.twitter.com/I1ocD0B0wA
山根が左CBに入るという珍しい形。試合途中からはともかく、スタメンからというは初めて見る気がするが、どうだったっけか。あえて大野ではなく山根を使うからには、何かしらの意図というか求められる何かがあったのだろう。
前線は天馬やーまんリョーゴという布陣。いかにも機動力重視という選抜で、実際に最前線からのアクティブホーミングプレスが実に良く効いていた。
サブに目を向ければ、来年加入内定の特別指定DF舘の名前が。フレイレ大野と並んで3人のDFというのも珍しい気がする。このタイミングで3人目としてベンチ入りさせたのは、東京の強力FWにDF総崩れ…という悪夢も考慮したのかどうか。
SHONAN SPIRITを最後まで。#bellmare pic.twitter.com/UIkJ3oZgS7
— 湘南ベルマーレ (@bellmare_staff) 2019年11月9日
試合
キックオフから正面から殴り合う。手応えは十分。 時折スピードに振り切られそうになりながらも、粘り強くボールを刈り取り反撃していく。首位を争う相手に100%を出させず、五分の展開で試合は進んでいた。
待望の先制点は前半36分。 相手陣内でボールを奪ってのショートカウンター。やーまんが左寄りで溜めている間に、右サイドから猛然と上がってくる天馬。やや厳しい速いパスを何とか収めて放たれたシュートは、相手DFを弾いてゴールに吸い込まれた。
🎦 ゴール動画
— Jリーグ (@J_League) 2019年11月23日
🏆 明治安田生命J1リーグ 第32節
🆚 FC東京vs湘南
🔢 0-1
⌚️ 36分
⚽️ 松田 天馬(湘南)#Jリーグ#FC東京対湘南
その他の動画はこちら👇https://t.co/JUEMOXLYeZ pic.twitter.com/eGP3lHyNuJ
※久々の湘南のゴールだというのにJ公式がYoutubeに動画上げてくれてないの。プンスコ
【平畠会議】J1第32節 議案①FC東京×湘南#山田直輝
— スカサカ!サッカー専門チャンネル (@sptv_jleague) 2019年11月25日
前回議事録より
3方向に対する守備のタスクをこなしつつ、相手をドリブルで引き寄せてからピンポイントスルーパスを通す圧巻のプレーを魅せた。#平畠会議 #スカパー
「平畠会議 議案①」はYouTube有料メンバーシップでもhttps://t.co/CCUI2Vjxr0 pic.twitter.com/11IadL7u2A
後半に入って、東京は攻撃のギアを上げてきたものの、湘南のブロックを突破する攻撃は散発。試合を通しても、崩されて攻め込まれた場面はほとんど無かった。今日の湘南なら大丈夫、このまま、逃げ切れる! …と思ったロスタイムの、同点ゴール。
スローで見ると、本当にもう少しだったんだよ。ダイレクトシュートじゃなかったら、ワントラップでも挟んでくれたら、きっと防げた。あそこで間髪入れずにシュートを選択して、枠にキッチリ入れてくるのは流石だよ、チクショー!(´;ω;`)
最後の最後、いつ終わってもいい時間にCK獲得。今日の湘南なら3度目のブザービート勝利もあり得ると思えた。さぁ決めてやれ…と思ったら、試合終了。(゚Д゚)ハァ?
いやいやちょっと待て、自分でCKを与えておいて、やらせてくれんのかい! だったらボールがゴールラインを割った時点で終了の笛吹いときゃよかったろがい! つかそもそもロスタイム5分て何だよ! どこからそんな時間が生えてきたんだ(゚Д゚)ゴルァ!!
試合が終わって、選手がゴール裏に挨拶に来る間、涙の止まらぬ富居を秋元が支えてあげてたのが、もう、ね。今日届かなかった数ミリが、きっと富居を成長させてくれる。
総評:☆☆☆☆☆☆☆
いや、見事なモンだったと思います。首位を争うチーム相手に、ほとんど脆さを見せずに戦いきった。ようやくアノ日の延長線上まで戻ってこれた。『俺達の湘南』が帰ってきてくれた。 こんな嬉しいことはない!。・゚・(ノ∀`)・゚・。
「凌吾がエンブレムを掴み、直輝が大きく叫び、大暉をみんなで祝福し、全員闘いみんなで笑った
— 湘南ベルマーレ (@bellmare_staff) 2019年11月23日
あの時に戻ろう」#bellmare pic.twitter.com/3QETIqdcEH
【岩本輝雄】本来の姿を取り戻したベルマーレ。残留は十分に達成可能なミッションだ | サッカーダイジェストWeb
正直今年はもう、ここまでの試合ができるまでは戻せないんじゃないか…と思っていたからね。この内容を示して掴んだ勝ち点1が、どれだけの自信を与えてくれることか。失った勝ち点2が、どれだけの闘志を与えてくれることか。
勝ちきれなかったのは本当に痛恨だったけれど、ラスト2戦を2019年の集大成で駆け抜けるだけの準備が、やっとこさ整った。まだ何も決まってねえぞ!
次の試合は
あっという間にホーム最終戦、サンフレッチェ広島戦ですよ。広島さん、気がつけばACL圏内にも届かないところまで落ちていた。とは言え二桁順位に落ちるには勝ち点を積みすぎている。言うなれば、残り2戦で目標を失った状況、である。
湘南は勝ち点1を積んだとはいえ、まだ上の浦和/鳥栖/清水とは勝ち点4差。浦和/鳥栖/清水のどこかがコケてくれれば…という他力前提になるが、広島戦の勝利を足がかりに、最終節での降格圏脱出も見えてくる。
広島と湘南、どちらが勝利に飢えているか。どちらが勝ち点3を欲しているか。考えるまでもない。東京戦で取り戻したスタイルを出せさえすれば、ホーム最終戦の強大な追い風があれば、きっと結果はついてくる。
失い続けて、落ち続けた日々は、終わった。さぁ、最後の加速を始めよう。