湘#48 れび@湘南サポBLOG Ver.2

スポーツナビ+(ブログ)サービス終了に伴い、引っ越してきました。湘南ベルマーレを応援していきます。

2019年回顧録

斎藤未月は、自らがワールドカップを戦ったことすら忘れてしまっていたという。未曾有の大災害(たとえそれが自らが招いた災厄だったのだとしても)が降り注いだ8月のの"あの日"の前と後では、目の前の全ての景色が一変してしまった。

それほどに、湘南ベルマーレというクラブとそれに連なる人達にとっては、永遠のように長く、かつヘドロのように濃密で、そして地獄のように過酷な半年だっただろう。少なくとも俺には、そうだった。本当にツラい日々だった。

良いまとめ記事が2つも出てきちゃったので、もう細かいところはいいだろうw。ひとまず総括してしまわないと一年が終わらないので、頑張って書くことにしよう。

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第1節~第22節(8月11日)

開幕の札幌戦に完封勝利して上々のスタートを切れて、リーグ戦では一進一退。今年もJ1で『勝ったり負けたりできる』喜びを感じられるんだと嬉しかったものだ。

劇的な試合も多かった。2点先行されながらも、ウルトラスーパー大誤審からのブザービート逆転勝利の第12節アウェイ浦和戦。逆に2点先行しながらも追いつかれ、最後にブザービート逆転勝利につなげた第21節ホーム鹿島戦。

こんな試合もできるようになったと嬉しさもあったが、それだけでは済まない。我慢できればいいのだが、こらえきれずにコロッと失点して痛い目を見ることも多かった。

ディフェンディングチャンピオンとして参戦したルヴァン杯では、J2長崎に取りこぼしたのが響いて予選敗退。天皇杯ではJFLヴィアティン三重に怒涛の0-4惨敗。旧スル銀杯では何もできずに同じく0-4完敗。

一言で表すなら、今年のチームの力強さと脆さの二面性が強烈に見えた半年だった、と言えるだろうか。そして失点癖を修正しきれないまま、"あの日"がやってくる。

"あの日"から

結果として、パワハラと認定される行為があったと調査結果が出て、キジェさんは辞任に至るわけなんだが…今でもやっぱりわからない。"あの"キジェさんが、どこで道を間違えてしまったのか。そして誰も正しい方向にナビできなかったのか。

育成担当だった頃から、人と人との関係性を重視してきた人だ。今まで見聞きしてきたキジェさんの言葉が全てウソまみれだった…というんじゃなければ、自らの権力で他人を貶めるようなことが出来る人では無かったハズなんだ。

湘南で積み上げてきたモノ全てが、パワハラ認定行為の上で成り立っていたなんて思えない。キジェさんだからと湘南にやってきてくれた選手もいるくらいなんだから、基本的な指導そのものに大きな問題があったわけじゃないハズなんだよな。

キジェさん自身も、自身の行為がパワハラという認識すら無かったんじゃないかな。長らく湘南で内容も結果も積み重ねてきたことで、どこかで判断のフィルターが曇ってしまった…なんてことはあったのかもしれないけれど。

今は猛省すると共に心と身体を休めて、いつか現場に戻って来られるようになってほしい。湘南であってほしいが、それが別カテゴリーでも、他の国でも。

眞壁会長についても、その話が自分のところに上がってこなかったというのは、本当なのだと思う。もしもそんな行為があったと伝わっていたなら、改善に動けていたハズだ…と信じられるくらいには、こちらもまっすぐなお人だ。

自分のところに話が来てなかったなら、まずはキジェさんの潔白を信じるしかないじゃない、盟友なんだもの。だからこそ即解任じゃなくて、調査結果が出るまでの謹慎だったんだろうし。あの時の眞壁さんの判断を誰が責められようか。

ただ、結果として調査が長引いたおかげで、チームがズタボロになってしまったのは確か。初めての事だらけで時間のかかるのは仕方がないのは理解するが、せめてもう1試合分でも早く決着がついていたら…と思わずにはいられない。

立て直せたチーム、修正できなかった悪癖。

J1での戦いは、宇宙戦争のようなものだ(唐突)。特に衛星軌道上での闘いは、少しでも油断をすれば、あっという間に重力に引かれて大気圏内に落ちてしまう。

"あの日"、宇宙戦艦『湘南ベルマーレ』は全ての機能を停止してしまった。エンジンを点火させることも、姿勢を制御することもできない。しばらくは慣性でまっすぐ飛べていたが、やがて機体はバランスを崩してきりもみ回転を始めて失速していく。

クルー達は懸命にシステムの再起動を試みるが、機体は一向に立て直せない。ギリギリのところで空中分解こそしていなかったが、何もできないまま機体にダメージを蓄積させて、一気に重力圏へ。もはや『戦う』というレベルですらなかった。

"あの日"からの9試合で6得点26失点という壊滅的なスコア。ホームの連戦で清水に6失点&川崎に5失点していた頃は、試合を観るのが本当にツラかった。

残り4戦になって、それまでいじってなかったGKを交換。因果関係はわからないが、ようやく全盛期ほどではないにしろエンジンが咆哮を上げ始め、再び機体を安定飛行させることに成功。大気との摩擦熱で赤熱しながらも再び上昇を始めた。

残り3戦。首位を争う東京に、後半ロスタイム失点でドローに持ち込まれた。ホーム最終戦では、虎の子の1点を守りきり広島を意地の撃破。勝ち点4を積み上げて、最終戦で勝利すれば自力残留というところまで、高度を上げることができた。

しかし、ここまでだった。降格が決まっていた松本山雅相手に、ここでも後半ロスタイム失点でドロー。立て直すことに精一杯で修正する間もなかった失点癖が、最後まで自分自身を傷つけて、入れ替え戦に回ることになった。

入れ替え戦、そして…。

残留できたからこうして良い思い出みたい書いていられるが、入れ替え戦のヒリヒリするような緊張感は、正直もう二度と味わいたくない。上がってくるJ2側はヤル気満々だろうけど、受けて立つJ1側はたまったモンじゃない。

去年の磐田ほどの圧倒的な差は見せつけられないだろうなとは思っていたが、立て直してきたとはいえ、やはりチーム力は結果が示す通りのレベルまでしか戻せなかった。更に本当の意味でのベストメンバーが揃わなかった状況下で、青息吐息の残留。

もうね、本当に。嬉しいとかじゃなくて心底ホッとしたの。こんな形で降格なんて、絶対にイヤだったから。湘南ベルマーレというチームのポテンシャルが足りなかったなら降格も受け入れられるけれど、そうじゃなかったからね。

最後まで戦い抜いての降格だったら、悔しいけれど胸を張っていられるさ。どうせ落ちるなら、せめてグッドルーザーでありたい。それすら許されない状況だったから。

とにもかくにも、猶予はできた。全チームがリセットされて、再び横一線からスタートになる。浮嶋さんも、ようやく自分の中の「湘南スタイル」を体現させるための時間を得た。浮嶋スタイルの完成形が、どんな進化を見せるのか、楽しみだ!


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