シーズンが終わって約一ヶ月。戦い抜いた道程を振り返ってみれば、結果としてはギリギリの残留だったけれど、浮き沈みもそれほど無く…というか、これ以上沈んだらアカンというところで踏みとどまって、終盤戦につなげられたのが大きかった。
W杯中断があけて、マリノスにたった一つのミスから負けて、そこから公式戦4連敗。24節のFC東京戦で踏ん張れて、25節のアウェイ長崎戦で勝ってきて、ルヴァン杯セレッソ戦初戦で3-0勝利。この辺りがターニングポイントだった。
J. League Data Site という公式のデータサイトがあるのをつい最近知りましてね。順位変遷とかも確認できるんだけど、他のクラブの乱高下を思えば、驚くほどに安定していたことがわかる。乱高下の激しかったガンバと名古屋と重ねてみると、こうなる。
思えば今年は降格圏に落ちることすら無かった。終盤のドローを2つほど勝利に持っていくだけで、1桁順位もあった。まぁ5チーム並んでんだから皆そうなんだけどもw。今年の選手たちの様子について、キジェさんはセミナーでこんな事を言っていた。
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「監督が言う事は理解するけどやるのは自分達だ」という意識は一番強かった。だから戦略的に少し変えるというのがやりやすかった。今までならその指示に全部流されて、良さも消えてしまっていた。
今年は「やっぱ無理だからこっちにしていいですか」とか未月や金子が言ってくるから「知らねぇよ勝手にやれよ」とか思ってましたけどw。まぁそれはそれで良かったというか。
話題になった金子の「チャナティップどうすんの?」は10月の札幌戦だけど、そこに至るまでにチームの中でそういう空気が育ってきてたんだね。前にも貼ったけど、2016年の惨状を示したこの記事を思えば、今年のチームの成熟がよくわかる。
J2降格の湘南、選手に芽生えてしまったチョウ監督“頼み”/サッカー/デイリースポーツ online
今年終盤の記事で「降格する気がしない」と書き続けられたのも、この辺の選手達の自覚と成長を感じていたからかもしれない。自信たっぷりに見えてたもんなぁ。
最後こそ5クラブが勝ち点で並ぶ異常事態になったけれど、どこと対峙しても序盤戦に見られたような情けない試合にはならないだろうという、根拠のない自信は最後まで消えなかった。それこそ来年が今から楽しみなほどに。
自分達より下の順位からはきっちり勝ち点をもぎとってきた、と言うよりは湘南から勝ち点を奪えなかったところが沈んでいったのかな。順位がさほど変わらなかったし、今年のラインコントロール役だったんだねw。
リーグ戦ベストゲーム、ワーストゲーム、ベストゴール
後半戦ベストゲーム:第25節 V・ファーレン長崎戦(A)
上でも書いたけれど、ここで負けたらズルズルと…というところで、残留争いに相手に完勝できた試合。ここからチーム全体が加速し始めた。取りこぼしをしないというのは大原則でもあるからねぇ。
後半戦ワーストゲーム:第28節 ジュビロ磐田戦(A)
前述のセミナーで、キジェさんこんな事を言ってたんですよ。ルヴァン杯優勝の後の試合間隔の話題になった時に、タイトな間隔そのものじゃなくて、せっかく優勝して喜びに浸る時間もなくて選手が可哀想だった的な話をした後に。
磐田の試合、メンバーを変えずに行ったのも、僕なりの他に対するメッセージだったし、コレで勝たないといけないなと思っていたし。
ここは解釈の仕方はいろいろあるだろうけれど、『ルヴァン杯の後の日程の抗議の意味を込めて、疲れているであろう選手を変えずにそのまま出して、その上で日程を決めた磐田に勝ってみせなければ、選手もうかばれないと思っていた。』と聴こえた。
いや、薄々は思っていたけれどもね。当時の記事にも書いたけれど、そこには選手の成長のためとかって意味が含まれていてほしかった。
解釈間違いでなければ、抗議のために目の前の勝ち点3にまっすぐ向き合っていなかったことになるんだから。平日の火曜に、アウェイの磐田まで行ったサポーターのことをどう考えているのだろうか。
清水戦の出来を思えば、メンバー変更していれば、磐田から勝ち点を持ち帰るのは十分可能だったと思う。結局ここで勝ち点を獲れなかったことが、最後まで自分の首を締め続けたのだから、皮肉なものだ。
最終的に磐田に天罰が下ったことで大団円にはなったけれど、これで入れ替え戦に回ることになっていたら、どうなっていたことか。
シーズンベストゴール:斉藤未月@ヴィッセル神戸戦(A)
【公式】ゴール動画:齊藤 未月(湘南)48分 ヴィッセル神戸vs湘南ベルマーレ 明治安田生命J1リーグ 第17節 2018/7/22
個人的に最も印象深かったのが、このゴール。ピッチサイド最前列の真横から観ていたからというのは、否定はしませんw。
山﨑のスルーパスも見事だったんだけども、ヘッドで山﨑につないでから未月が一直線に全速力なのね。ボールが出れば自分のチャンス、神戸DFが釣られてくれれば山﨑のシュートチャンス。見事な連動でありました。お見事です。
ルヴァン杯優勝
いや、書きたいことは試合毎に書いてきたんで、あまり描くことも無いんですがねw。予選ではリーグ戦とは違う底上げの舞台として。プライムステージからはリーグ戦にも通じる自信確立の場として。重要な試合経験の場でありました。
決勝の埼スタのゴール裏からの景色は、未だに瞼の裏に焼き付いている。時々スタメン発表の時の動画を見返しては熱いものがこみ上げてくるもんね。本当にええモン見せてもらった。タイトルを獲るというのは、あらためて大変なことだ。
【2018】ルヴァン杯決勝 湘南 VS 横浜F 選手紹介~ルヴァンを掴め!
最後に
シーズン開幕前に、こんな事を書いていた。
実際はジョンヒョプは怪我で離脱しちゃうし、ステバノさんは契約解除になっちゃったし、全てが上手く回ったわけではなかった。それでも"勝ったり負けたりできる"チームに成長できたし、ルヴァン杯という"大きな果実"も収穫できた。
そういう意味では、概ね思い通りのシーズンだったと言ってもいい。終盤は全ての歯車がしっかり噛み合って、力強さをキープしたままゴールテープを切ることができた。
2019年に向けて、何というか"目も眩むような"選手の入れ替えが起こっている。ちゃんと触れるのは来年に回すけれどもw、これも全て残留できたればこそ。自分達の手で掴み取った明るい未来だ。
来年もまた厳しい闘いになるんだろう。今年のアホ日程を乗り越えて成長したクラブなら、きっと大丈夫だと思える。期待して来年を待ちたい。
※例によって選手の入れ替わりについてのコメントは来年まで自重願いますw