「よう、遅かったな。しかもボロボロじゃないか、大丈夫か?」
「…ほっとけ。それにしても、お前とここでやることになるとはな。」
「そうかい? 何となく俺はお前とやることになると思っていたぜ。」
「17年ぶりの決勝なんだってな。そんな昔話なら、俺らと変わらないな。」
「創立50周年で初の決勝とか出来過ぎだな。…中澤の有終の美の邪魔はさせん。」
「50年かけて辿り着いたんだ、逃しはしない。結果にコミットさせてもらう。」
「「 勝つのは、俺達だ! 」」
スタメン
【ルヴァンカップ準決勝第2戦ホーム、柏レイソル戦スタメン】
— 湘南ベルマーレ (@bellmare_staff) 2018年10月14日
GK:秋元陽太
DF:山根視来 坂圭祐 大野和成
MF:岡本拓也 石川俊輝 金子大毅 杉岡大暉
FW:菊地俊介 山﨑凌吾 梅崎司
サブ:富居 島村 ミキッチ 松田 高山 山口 イジョンヒョプ #bellmare pic.twitter.com/JkjNQPWiFu
スタメンは日立台と変わらず。サブはしまむーが抜けてヒカルが入った。…って、控えにDFがいないじゃないか。何があるかわからないのに、思い切ったなぁ。もっとも岡本俊輝杉岡氏を一列下げれば対応はできるんだけどさ。
この連戦でスタメンに入れ替わらなかったことに、安心と少々の不安。好調のチームはいじらないほうがいいと思うか、疲労も考慮してもスタメンを勝ち取れないほどに、競争が無くなってきているのか。ううーん。
試合
早い時間帯に先制点を取られて一気にペースを持って行かれるのだけは避けたかったこの試合、序盤から互いのGKが横っ飛びワンハンドクリアでピンチを防ぐ見せる激しい立ち上がり。決勝への強い思いがぶつかり合う。
バタバタした雰囲気がようやく落ち着いてきたかなと思われた頃、競り合いで倒れるシュンスケ。よく見れば左太腿はテーピングでガチガチだ。一度はピッチに戻るも、プレー続行不可能で21分に天馬と交代。
ちょっとイヤな雰囲気になりかけた直後の28分、試合を動かしたのは湘南。左サイドからのクロスのこぼれ球を、ド正面から俊輝がミドルを突き刺してみせた。DFで隠れてしまって、GKから姿が見えなかったようで、一歩も動けなかった。
そこから前半終了までは湘南ペース。ゴールマウスに狙ったかのように弾かれたシュートが3本ほどはあっただろうか。前半のうちに追加点が取れていたら、もうちょっと楽に進められたんだろうが…。
この日の柏さんはクリスティアーノにボールを集める単調な攻撃が多くて対応はしやすく、これなら逃げ切れるかも…なんて思っていたら、後半から柏のエンジンが徐々に唸りを上げ始めた。そして70分、ついに同点弾を許す。
一気に逆転してしまいたい柏の猛攻を何とか防ぎきり、仕切り直しの延長戦へ。ここでも先手を取ったのは湘南。左サイド奥からのFK、一度杉岡に下げ、そこからファーサイドの坂に狙いすましたクロスを坂がヘッドで押し込んで、リードを奪う。
しかし、逃げ切れない。柏の執念が、あと7分耐えればという時間で再びの同点ゴールを呼び込み、延長でも決着がつかなかった。ついにPK戦だ。
PK戦
延長の途中から足を痛めたような素振りをしていた秋元が少々心配だったが、そういえば去年は右手小指を骨折しながらシーズンを戦っていたんだっけな…なんてことを思い出して、秋元のそんな精神力に全てを託した。
1人目杉岡氏、2人目リョーゴ、成功。どちらも決めてきての3人目はウメさん。大きく左上空へ外してしまう。ここにきて初めてリードを許した湘南。ここまでチームを牽引してきたウメさん、涙。
しかし柏の4人目がクロスバーに当ててくれて、同点。救われたウメさん、更に涙。湘南は坂→金子→高山と成功させてきた。そして柏の6人目。秋元コールから秋元チャンとに変わり、スタジアムのボルテージが更にアガる。
最後ののPKが枠を外した瞬間。スタジアムは歓喜の渦。安堵で崩れ落ちるウメさん。足を痛めていたはずの秋元、ベンチに全力ダッシュからのハイジャンプ。お願い自重してとも思ったけど、止められるわけがないよね!w
【ハイライト】湘南ベルマーレ×柏レイソル「ルヴァンカップ プライムステージ 準決勝 第2戦」
総評:☆☆☆☆☆☆☆☆
試合自体は☆6つ、シチュエーションで2個プラス。これまで2戦目がアウェイだったけれど、今回はホームで本当に良かったね。スタジアム全体でこれまで一番かと盛り上がりと後押しがPK戦で出来たのは大きかったと思うよ。
湘南×柏のPK戦。結果的に最後のキッカーとなる6人目の場面。皆さんおなじみの遠藤さちえさんに言われて「ハッ」と思い出したんですけど、それまで柏の選手が蹴る時は“秋元コール”だったのが、あの瞬間に“秋元陽太チャント”に変わったんですよね。それでスタジアム中が大合唱して。アレは凄かったなあ。
— 土屋雅史 (@m_tsuchiya18) 2018年10月14日
もっともPK戦に行かないで試合を決められれば一番良かったんだけどね。それを出来るだけのチャンスも作れていただけに、そこは課題として突き詰めないと。それでも、こういう舞台で常に先手を取って試合を進められたのは、素晴らしいですよ。
創立50周年のJ1リーグでタフな戦いをしながらの、ルヴァン杯決勝進出。代償は過密日程と、ベスメン罰則w。そして対面に立つのは、横浜・F・マリノス。
どちらが聖杯を掲げるに相応しいのか、勝利の女神を振り向かせるに足るサッカーを示せるのか。普段は神奈川ダービー(SKYシリーズ)を戦う2チームだけども、今回はそんな飾りの枠を削ぎ落とした、クラブの"芯の太さ"が試される闘いになる。
次の試合は
再びリーグ戦に戻って、ホーム平塚で札幌を迎撃ですよ。最高のバイオリズムでルヴァン杯決勝の舞台に臨むためにも、リーグ戦でも良い内容を示したい。
もちろんただのステップでないことは言わずもがな。決勝進出の浮ついた気持ちはひとまず置いておいて、目の前の試合に集中しなければ。何と言ってもリーグ戦はあと6試合しかない。生き馬の目を抜く死闘はまだ続いている。
シュンスケの状態は気がかりなれど、不在であっても補えないチームではないだろう。規定で柏戦に出場できなかった秋野もいる。前線ならばケージローも牙を研いているハズ。出場機会に飢えた狼達の奮起に期待したいところだ。