この日スタジアムを埋め尽くした今季最多の14,862人分の熱量はスゴかったね。アウェイ側ゴル裏が埋まるような時は大抵チャントの声量では負けちゃうんだけども、声量以上にこの試合に賭ける鞠サポさん達の必死の想いが伝わってきた。
サポーターがチームを勝たせるなんて幻想だとは思うけど、これだけのスタジアムの熱量に選手が応えられたなら、ツマラナイ試合になるわけがない。試合は最後までわからない展開で、タイムアップ寸前までチャンスを作り続けられた。
スタメン
【J1リーグ第21節 横浜F・マリノス戦スタメン】
— 湘南ベルマーレ (@bellmare_staff) 2018年8月11日
GK:秋元陽太
DF:山根視来 坂圭祐 杉岡大暉 岡本拓也
MF:菊地俊介 秋野央樹 高山薫
FW:小川慶治朗 山﨑凌吾 梅崎司
サブ:富居 高橋 藤田 齊藤 石川 野田 松田 #bellmare pic.twitter.com/vQt9alEX1W
まず目につくのは、相手の3トップに合わせるように4バックスタート。シュンスケ秋野でボランチを組ませて、前線に梅崎リョーゴケージロー。そして…左のワイドに入るのは高山薫。ゲームキャプテンは梅崎だったけども。
前節サブにも入らず、図らずも休養十分だった高山。ウォームアップ直前だけ出されたダンマクに、ゴル裏の期待が伝わる。63分に高橋諒と交代するまで、90分換算で11kmにもなるランでチームを引っ張ってくれた。
試合
互いにDFラインを上げて、狭いブロックの噛みあわせ。ターン制バトルのように互いに攻めきってるからか、変にストレスのたまらない熱い攻防が続いた。
前半最大のピンチは、12分、クロスをフリーで折り返されてヘッドで押し込まれたのがオフサイドになった場面か。折返しに誰も競れてなくて、わずかな差で「救われた」といった形に。前半終了間際にゴール前で合わせ損ねてくれたのも助かった。
湘南はその後、ケージローのシュートがGK正面に行ったり、秋野のシュートがギリ防がれたり、その直後の連続CKを押し込み損ねたり、梅崎が左サイドをドリブルで切り裂いたり、その直後のCKでポストに嫌われ&杉岡が空振ったり。
チャンス自体は横浜より多く作れていたんだ。DAZN集計でシュート7本(横浜4本)で全てが枠内。どこかで先制できていれば全く違う展開もあったろうが、そういう試合は大抵の場合どこかで報いを受けることになる。
後半開始直後の後半3分。前線に大きく蹴り出してDFラインを上げて、ウーゴと仲川はオフサイドポジションに置き去り。ブマルを見ていた山根、自らの背後の天野への注意がわずかに逸れる。
そのタイミングでの裏へのボールに天野が反応、山根が追いつく前にクロス。戻らずに攻め残っていたウーゴにマークが間に合わず、ドフリーでヘッドで合わされた。
【公式】ゴール動画:ウーゴ ヴィエイラ(横浜FM)48分 湘南ベルマーレvs横浜F・マリノス 明治安田生命J1リーグ 第21節 2018/8/11
誰もいないスペースに蹴られただけみたいに緩く追ってた山根は、天野が自らを追い抜くその瞬間まで反応できなかった。気を抜いていたと言われても仕方がない。
失点以降、選手交代で横浜に傾いた流れを押し返す湘南。失点以降も攻撃でチャレンジできていたし、チャンスも何度と無く作れていたし。守備で前から追えなくなったわけでもなく、腰が引けたわけでもなく。十二分にやれていた…のだが。
ロスタイムのシュートもポストに弾かれて、万事休す。前節は相手の綻びに救われたが、今節はたった一度の守備の綻びでの敗戦となってしまった。
総評:☆☆☆☆☆☆
敗戦の結果だけれども、最後までチャンスを作り続けた粘りに☆1つ追加。本当に失点の場面だけだったんだ。スコアレスでもうちょっと我慢できていたら、相手の焦りも引き出せただろうに。もったいない試合だった。
ワンチャンスをモノにして決勝弾に結びつけた横浜。シュート本数では上回りながらもゴールに結び付けられなかった湘南。この日の結果を分けたのは、そこだけだった。試合後のコメントでキジェさんが手応えを口にしていたのも頷けた。
結果だけで全てが駄目だったかのようなツイートもあったけれど、そこまでネガフィルター越しに斜めに観て悲観するような内容ではなかった。反省するところは反省して綺麗に切り替えられさえすれば、ダメージも無く次節に臨めるハズだ。
次の試合は
水曜日にアウェイ仙台戦ですよ。記憶に新しいルヴァン杯プレーオフステージの死闘。勝ち抜いたのは湘南とはいえ、アウェイでの闘いではほぼフルボッコだった相手。どう修正して対抗していくのかが問われる。
左サイドの要であった杉岡氏が代表選出で不在になるところの埋め合わせをどうするのかも鍵になるか。人材不足というわけではないにしても、ここまでフル出場だった選手が不在となるわけで、そこの摺合せはきちんとしておかなければ。
そしてもちろん、代わりに出場する選手にはチャンスでもある。高山も連続スタメンを狙うだろうし、表原あたりは目をギラつかせて牙を研いでいることだろう。
繰り返しになるけど、大事なのはこの日の負けを引きずらないこと。たった1試合でブレるような闘い方はしてこなかったハズだ。まだまだ混戦も連戦も続く。もう一度襟を正して、走り出そう。