浦和美園駅から埼スタまでの長い道。何度来ても「もうちょい近づけられんかったものか」と思うこの道、(雨さえ降らなければ)実はそんなに嫌いじゃない。
黙々と歩いてる間に自分のモードが切り替わっていく感じとか、遠くに現れたスタジアムがどんどん大きく見えてくる感じとかね。もっとも久々に歩いたら線路の反対側が結構な住宅街に変貌してて、違和感凄くて驚いたけども。
でも、帰りのこの道は嫌いだった。ある時は周りの浦和サポの歓喜の中を早歩きですり抜け、もしくは精魂尽き果てて無表情のまま重くなった足をひきずりながら。それが湘南戦で埼スタに行った時の帰り道であり、それしか知らなかった。
湘南ベルマーレとして初めて浦和を撃破した帰り道。普段と丸っきり景色が違って見えた。肩を落とす大多数の赤い人波の中に点在する、緑と蒼の人々が、笑顔とドヤ顔wで、胸を張って闊歩している。何という誇らしさだろう!
今までこんな気分で、浦和サポはこの道を歩いていたのだろうか。それとも勝って当然の安堵だっただろうか。でもこの日ばかりは、ほんの少しの湘南サポのためだけのランウェイだった。まったく、サイコーにハイってヤツだ!!ヽ(=´▽`=)ノ
スタメン
【J1リーグ第11節アウェイ、浦和レッズ戦スタメン】
— 湘南ベルマーレ (@bellmare_staff) 2018年4月28日
GK:秋元陽太
DF:山根視来 坂圭祐 杉岡大暉
MF:ミキッチ 石川俊輝 秋野央樹 高橋諒
FW:菊地俊介 イジョンヒョプ アレンステバノヴィッチ
サブ:後藤 アンドレバイア 齊藤 野田 松田 高山 梅崎 #bellmare pic.twitter.com/dBWzcqao71
湘南ベルマーレッズ四人衆 #bellmare pic.twitter.com/DIsXWIobPj
— レヴィ (@revys48) 2018年4月28日
岡本の代わりにミキッチが入ったくらいで、あとはガンバ戦と同じ。バイーアさんをスタメンに戻さなかったのには、正直驚いた。それほどまでに疲労が溜まっているのか、それとも坂が十分に監督の期待に応えられているのか。
そして浦和は"湘南ベルマーレッズ四人衆"が揃い踏み。ワタルやーまんダイスケがスタメンで、武富がサブに控える。正直ダイスケが出てきてくれてほくそ笑んだ。2015年の最終戦、ダイスケがミキッチに子供扱いされるのを観ていたからね。
あれから3年、ダイスケがミキッチに追いつけたのか、ミキッチの経験が今もダイスケを凌駕するのか。そこが鍵になる場面が必ず来ると思っていた。
試合
初先発の浦和MF山田直輝「僕が外した結果」決定機到来も好セーブに遭う | Goal.com
やーまんが上記リンク先記事で嘆いていたが、前半17分のあの場面で先制点を奪われていたら、全てがひっくり返っていた可能性はあった。試合としても、前半6割、後半8割は浦和にボールを持たれていたからね。
あそこでは山根が懸命に最後まで諦めずに足を出していったことで、やーまんからコースを狙う余裕を奪って、シュートをGK秋元の正面に飛ばさせた。その姿勢を最後まで続けられたことで、浦和の攻撃を跳ね返し続けられたんだ。
湘南のゴールは前半の30分に生まれた。そしてキーになったのは案の定、ミキッチとダイスケがマッチアップする右サイドの駆け引きだった。
右サイドで浦和のクリアミスのこぼれ球を拾う山根。ジリジリと前進する山根、浦和の選手2人を引きつける。ミキッチがタッチライン際でオフサイドラインを牽制するところに、ダイスケがジョギングで戻ってくる。ダッシュで戻れよ何してんだ。
マークにつくでもなく、何となく山根とミキッチの間でパスコースを塞ぐっぽい中途半端な位置取りのダイスケ。山根、自分のマーク2人の間を、まっすぐ縦にスルーパス。ミキッチ、ゴールラインぎりぎりで追いついて、マイナスのクロス。
ダイスケその時、何も出来ずに完全に置いていかれたにも関わらず、追いかけるでもなくジョギングで何となくゴール方向に走ってる。ダッシュで戻れよせめて!(2回目)
マイナスのボールにドフリーで走り込んできたのは、俊輝。湘南の6番の豪快なシュートはGKの逆を突き、浦和の6番ワタルの股間をブチ抜いてのゴールとなった。
【公式】ゴール動画:石川 俊輝(湘南)30分 浦和レッズvs湘南ベルマーレ 明治安田生命J1リーグ 第11節 2018/4/28
今は対戦相手の選手ながら、ダイスケの中途半端なプレーをDAZNで観てガッカリした。それが浦和の守備の約束事なのか、ダイスケの怠慢なのかはわからないけれどね。最後がワタルの股間を抜くゴールというのも、また色んな意味で象徴的よね。
互いに連戦の中、後半は疲労との戦いになる。浦和が先に59分までに3枚代えて攻勢に出るが、ディフェンス組は「押し込まれていても、やられる気がしなかった。」と、最後まで落ち着いていたらしい。
【J1 第11節】21年ぶり浦和戦勝利の理由~湘南の若きCB山根視来「命がけで戦っている」 - ベースボール・マガジン社WEB
疲れが見えてきたらバイーアさん投入ということもできただろうが、平均年齢が22歳にも満たない若いDFラインは、最後までハツラツと身体を張り続けた。浦和は先に全てのカードを切ったものの、それでも完全に湘南を崩した場面は作れなかった。
そして歓喜のタイムアップ。湘南が湘南らしく、浦和を正面から撃破してみせた。これが21年ぶりの、湘南ベルマーレとなってからは初のリーグ戦での勝利となった。
勝利の瞬間のベンチ前の風景 pic.twitter.com/LMKlMpVZGu
— レヴィ (@revys48) 2018年4月29日
総評:☆☆☆☆☆☆☆
☆7つ。後半もう少しでも攻勢に出られていたら、追加点が無くても星8つもあったかなと。後半も攻撃に晒されていても、安心して観ていられたんだけどね。
湘南にとっては"いつものように"なんだけども、浦和にとっては山根が上がってくるのは想定外だったんだろうか。まるで鹿島戦の劇的サヨナラゴールの時のように、ボンヤリと2人並んで出てきて、その間を通されてしまったのは大失態でしょう。
そしてダイスケの動きは、元湘南選手としては哀しい限り。ましてや以前ボロボロに蹂躙された相手を、ああまで自由にさせて失点につなげてしまうとはね。
どちらもチームとしての完成度がゼロ近くに戻ってしまった相手とはいえ、歴史を動かしてのウノゼロ連勝。ペースとしては握られていても、ピンチの連続を凌ぎきったというわけじゃない。しっかり相手の攻撃を受けきっての勝利。格別だね!
ヒデ以来21季ぶり!苦難乗り越え湘南が浦和に勝つ - J1 : 日刊スポーツ
「湘南らしい一体感」21年ぶり浦和破る 見事な連動:朝日新聞デジタル
次の試合は
ホームで柏を迎え撃つ。浦和撃破で10位まで浮上したものの、まだまだ周囲は団子状態。柏戦もまた、勝ち点でほぼ並ぶ相手との大事な試合となる。序盤走ったものの、過去6戦で2勝4敗と勢いに乗れているとは言い難い相手だ。
これ以上ない程の勢いに乗れる連勝で次戦を迎える湘南、どこまで走れるか。2戦連続でほぼ同じメンバーで戦ってきたことで、流石にメンバーの入れ替えは免れないだろう。疲労の蓄積による負傷も怖いし、総入れ替えでも驚かない。
誰が出てきても、今の100%を。それさえ忘れなければ、きっと結果はついてくるさ。勝敗は五分に戻せたことだし、今度は得失点差をゼロ以上に戻していけたらいいんだけども。つまりは勝ちたいねってことなんだけども!w